第二十二羽
「あなたはどこから来たの?」
女性は実希にそっと話しかけた。
「えっ!? えっと・・・(どこだっけ・・・。 あ、そだ、東京だった。) 東京です。」
「そんな所から流されてきたの!?」
「はぁ・・・。 ここってどこなんですかー?」
実希は女性の言葉をきいた瞬間、驚きと喜びにに包まれた。
なんと・・・。
なんと!!
ここは沖縄だったのだ!!!
女の人はその後、家畜になることを条件に、家に住まわせてもらうことになった。
寝るところは犬小屋のでかいバージョンで基本は首輪をつながれていて
ネームプレートには【ニワトリ ♀】と書いてある。
そんな状況下、実希は一生懸命に働いた。
毎日毎日、雑草を摘むのだ。
――――本当のことも知らずに
ある日の夜、実希は小屋の中から子供たちの声を聞いた。
「ねーねー。 あのニワトリさん(仇名)売っちゃうのー?」
「ママたちが言ってのきいたんだ!! 多分、ほんとだよー。」
「いくらで売れるかなー?」
「せいぜい百円だよ、きっと。」
「なぁんだ。 役立たずじゃん。」
子供達の話を盗み聞きしていた実希は
(なんだコイツら~。 ムカつくわぁ~。)
と思った。
一発殴ったろか?とも思ったが、母親達が気付いて出てきたので、
実希はとっさに狸寝入りをした。
「あなた達!! 何はなしてるの!? 早く家に入りなさい!! は・や・く!!」
子供達は、母親をみて、慌てて家までダッシュで戻っていった。
さて、12時(P.M)をまわったところ、実希は脱出をはかってみた。
いくら何でも労働がきつすぎると前々から思っていたのだ。
(また売り飛ばされそうな感じだったし・・・。)
実希は、脱出するにおいて、まずは首輪をどうにかしようとしたのだが・・・。
鎖が切れない。
というか、切れるわけがなかったのである。
(うわぁーーー、すっかり忘れてたーーー!)
そして、頭を抱えるのであった。
そうこうしているうちに、夜が明けてきた。
もうすぐ親子たちがおきてしまう。
「あのヤキトリ、そろそろさばこうよ!」
(いつの間にニワトリからヤキトリに!?)
ちょっと突っ込みどころの違う実希。
「どうすれば、おとなしく切り刻めるのかしら?」
(・・・恐ろしい会話だわー)
他人事みたいにのんきに考えてから、実希はハッとする。
(って切り刻まれるの、うちだーーー!)
やばいよ、やばいよ、と大混乱する実希。
「まずは眠らせないとね。」
足音は
だんだんと
大きくなる・・・
作 M・S




