第二十一羽
島に、ホルマリンのまま流れ着いた実希は、何とかビンから出たかったが、ビンのふたがなかなかあかない。
島に流れ着いてから三時間
(ここ、すごく暑いな・・・ 誰か助けて~~~!)
すると、向こうから人が歩いてきた。
女の子が二人。
小学三年生ぐらいだろう。
「ナニこれ!? キモチわる~~!」
「えぇ!? ・・・人が入ってるんだけど!」
つんつん木の枝でビンをつついている。
実希はその態度にいらいらしたので、 ギロッ とにらんでやった。
「死体じゃないの!? ・・・生きてるよ!!」
「気持ち悪いから流しちゃおーよー」
(え!? また流されんの~~~~~!?)
実希は焦った。
今までからっと晴れていた空が、何の前触れもなく、急に曇り出した。
ゴロゴロッ
雷の音まで聞こえてきた。
「二人ともーー!! はやく家に戻って! 嵐が来るわよ!!」
遠くの方から、背の高い女性が走ってくる。
(誰かー助けてー)
実希はビンのふたを自力で開けることができずにくたくたになっていた。
「おかあさーん。 変なのいるー。」
「キモいんだよー。」
実希は子供の言葉はシャットダウンして
‘HELP’
という視線を女性に向ける。
「・・・何かしら、これ?? 可哀想に。 家に入れてあげましょう。」
(ヤターーーーー!! これで助かったぁ~~☆)
三人は実希のホルマリン漬けを転がして浜辺の家に入れた。
そこはほったて小屋のようなところで、
家全体が8畳くらいしかない。
昔ながらのいろりなどがあtって、実希はおばあちゃんちを思い出した。
―――――――三人の会話など知らずに・・・
『オークションに出したらー? 高く売れて、大きな家に住めるかも!』
『そうねぇ・・・ 切りきざんで売った方がいいかしら?』
『割れないように、じょーぶなビンを上からかぶせようよ!』
知らぬうちに夜はふけて、嵐はおさまっていた。
作 M・N




