ログインとチュートリアル?
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綾愛とFROをする約束をしたつくりは放課後、ベッドに寝転がりながら通話を繋いでいた。
『パッケージを近くのゲーム店で買ってきましたの。今から起動いたしますわ。』
「おぉ!じゃあ、私のユーザーネーム『超絶最強ドーナツ神』だから!設定終わったら広場で待ってて!」
『ずいぶん変わっ……個性的な名前ですのね…』
電話越しに、ヴォンと重厚感のある電子音が鳴る。
『では、VRの世界でまた会いましょう』
「OK!またね!」
電話がプツンと切れた。
「よし、私も起動するか〜!」
ヘッドセットを被り、FROを起動した。
◆◇◆◇◆
三十分後、つくりはメディナ街の広場で綾愛を待っていた。
「それにしても綾愛遅いな〜…こんなに時間かかったっけな」
すると、遠くの方に綾愛らしき人影が見えた。
「あれかな…おーい!」
こちらの声に気づいたのか、綾愛はこちらへ振り向いた。つくりはすたこらと綾愛の方へ駆けつける。
「も~、遅いよ綾愛〜」
「『超絶最強ドーナツ神』…ああ、ごめんなさいつくりさ…」
そう言いかけたところで、何か気づいたように綾愛は口をつぐんだ。
「どうしたの?」
「ああ…本名は個人情報ですし、人前ではユーザーネームで呼び合いましょうか。」
「あ、ごめん!ええと名前は…」
綾愛の頭上を見ると、『クレイ』と書いてあった。
「鶴岡の鶴は英語でクレインなので、ちょっと文字って『クレイ』です」
綾愛が小声で教えてくれた。
「めっちゃかっこいいじゃん!!私は…『ドーナツ神』とでも呼んでよ!」
「承知いたしましたわ、ドーナツ神さん。では、行きましょうか」
「え、行くって…どこに?」
「決まってるじゃないですか。あそこの森でモンスター討伐ですよ」
綾愛が街の南側を指差す。その先には、青々とした木々が連なる森が広がっていた。
「チュートリアルでそこに行けとの指示がありましたので」
「ちゅーとりある…?」
「?…はい。初期設定でチュートリアルを受けるかどうか聞かれませんでしたか?」
そんなものあったっけ?と、つくりは過去を思い出す。
「あ」
つくりは思い出した。初期設定の項目をほぼ全てスキップしたことを。おそらくそこにチュートリアルの有無があったのだろう…
「まあ、ゲームのチュートリアルを飛ばす人なんていないとは思いますけど。」
「…」
「どうしたんですの?早く行きましょ!」
純粋な瞳で言う綾愛。つくりは何も言えなかった。
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