初討伐と大きな目標
間違えて削除してしまったので再投稿です
申し訳ありませんでした
「……チュートリアル、飛ばしてしまったのですね…」
「うん…」
メディナ街の南門を抜け、二人は青々とした木々が広がる『ギーナ森林』を歩いていた。
「それで…さっきは操作方法とか教えてくれてありがとう」
「ええ、どういたしま……って、ドーナツ神さん! モンスターですわ!」
綾愛が指さした茂みから、ポヨンポヨンと跳ねる青いモンスター__スライムが現れた。
「よし! 私に任せて!」
つくりは初期装備のツルハシを構え、スライムに飛びかかった。
____しかし、つくりの攻撃ははずれ、隙だらけの身体にスライムの体当たりが炸裂する。
「いだっ!?」
「ドーナツ神さん、下がって!」
綾愛は一歩前に出たかと思うと、手元に刺々しい鉄球のついた金属棒を召喚し、スライムに向けて容赦なく振り下ろした。
____ぶしゃっっっっっ!!!!
それがスライムにヒットした直後、スライムの身体は四方八方に飛び散り、粒子となって消滅していった。
あまりの威力を前に、つくりは「ヒッ」と短い悲鳴を上げた。
「……クレイ、それ…何?」
「__ん?ああ、これは『モーニングスター』ですわ。」
綾愛は、モーニングスターにこびりついたスライムだったものをビッと振り払い、まるで動物を撫でるかのようにさすりと撫でた。
「わたくしの職業は『僧侶』なのですが…初期装備がいくつか選択できまして。杖や聖書などもあったのですが…これが一番楽しそうでしたの……」
「(僧侶って……回復とかする職業じゃなかったっけ……?)」
清楚なお嬢様と殺傷の権化のような武器とのギャップに、つくりは苦笑いを浮かべた。
「__あ!!他にもモンスターが!」
茂みから何匹ものスライムが湧き出し、つくりたちを取り囲む。
「ドーナツ神さんは後ろをお願いしますわ!」
「OK!」
綾愛はモーニングスターを豪快に振り回し、次々とスライムをしかばねへと変えていく。
対するつくりはツルハシの攻撃がまったく当たらず、スライムに囲まれたこなぐりにされていた。つくりのHPはゴリゴリと減っていく。
「なんでこうなるの~~~~!!!!!」
「任せてください!!」
結局、ほぼすべてのモンスターを綾愛が一人で叩き潰す形となった。
「ありがと…おかげで助かったよ〜…」
「うふふ……楽しいですわ……♪」
[Level Up! Lv.1 ➔ Lv.2]
すると軽快なファンファーレとともに半透明のパネルが表示され、綾愛の頭上に輝く光が走る。
「あら、レベルが上がりましたわ」
「……れべる?」
綾愛の言葉に、つくりは首をかしげた。
「モンスターを倒すと経験値が溜まって、基準値になるとレベルが上がるんですの」
「へぇ〜! レベルねぇ……」
その言葉を聞いた瞬間、つくりの脳内にビビっと電流が走った。
熟練度【採掘 Ⅴ】を極めた時の、あの脳を焼くような快感が鮮明に蘇る。
つくりは、思った。このレベルを限界突破させてみたいと。
「……決めた」
「え?」
「私、このゲームのレベルを最高まで上げる!!!!」
「えっ!?」
つくりの突然の宣言に、綾愛は目を丸くした。
しかし、一度火がついたつくりは誰にも止められない。
つくりの前に、ちょうどよくスライムが現れる。
「死ねーーーーーーッ!!モンスターーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!」
「待ってください!!もうHPが_____」
綾愛の言葉を聞く前に、つくりはスライムに向けて駆け出し、ツルハシを振り下ろした。
____が、振り下ろしたツルハシが届く前に、スライムのカウンター体当たりがつくりのみぞおちにクリティカルヒットする。
「えっ」
つくりのHPがついにゼロになり、そのままポリゴンとなってサラサラと空中に溶けていった。
「……あ」
綾愛はただただ呆れるしかなかった。
◆◇◆◇◆
「_____けっきょく…一匹も倒せなかった…」
時刻は23時。つくりはベッドに大の字で転がり、うつろな目で天井を見つめていた。
あのあと、つくりは綾愛とともに何回かモンスター討伐を試みた。しかし、攻撃は全くもって当たらず、むしろ反撃され死ぬばかり。つくりのレベルが1から上がることは無かった。
「くそーーーーッッッッッ!!!絶対絶対絶ーーーーーっ対!!!!!レベル最高値にしてやるーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!」
つくりはそう決意し、駄々をこねる子供のように手足をじたばたさせたのであった。
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