日下修孝
日下修孝
Kusuka Michitaka
朱に染まる夕刻―――、
「・・・」
―――、一人の少年が校庭に独り佇んでいる。
秋は日も短くなり、もはや日は地平の彼方へと落ち、夜の帳が降りようとしていた。
その少年は黒色の学生服姿であり、地平線に近く目線に等しい位置の太陽に眩しいためか、少年は日が沈みゆく方向とは逆に向き、身体の向きもそちらに向けて佇んでいる。
その少年、いや独り佇む彼の名は日下修孝といい、ここ日下府という街では少々名の知れた名士の一人息子である。
まずは、そんな修孝の容貌と容姿に移っていこう。
彼修孝はその学生という年齢のわりに、人生を半ばほど過ぎた人物のような思考で達観しており、あまり感情的にはならない人物である。
修孝は端正な顔立ちの、いわゆるイケメンに見える顔立ちであるが、冷たく静かに思えるような眼差しをしており、その眼の色合いは深い黒色である。
修孝のその目元は力強く、その容貌と相まってピリッとしたものを周りに漂わせているような雰囲気を持っている。
しかし、彼修孝は他人に厳しいということはなく、その指向は常に自分自身にあり、常日頃から自身を律し、高みへと昇ろうとする野心が見え隠れする。
修孝は日下家の跡取りであり、その日下家は剣術を伝える家系でもある。そのような家に生まれた修孝は自然と剣術に触れる間に自身も剣士と大成すべく、日頃より研鑽を積んでいる。修孝は己に対して妥協するような性格ではなく、自身を限界まで追い込むことに半ば囚われている。
そのように剣術を修める修孝の体型は肥えているわけはなく、痩せているわけでもない中肉中背の体型に見える。
そして、鍛錬に励む修孝の体型は均整の取れたすらっとしたもので、服を脱げば筋肉質の腹筋と背筋、及び大胸筋を持っており、真剣を振り回す鍛錬のうちにその手足や肩、臀部も筋肉質で、いわゆる“細マッチョ”という体型である。
修孝の身長は男性の平均身長よりも高く、彼の身長は百七十五センチから百八十センチの間である。
そのてっぺん修孝の頭から見ていけば、彼の髪質はやや硬い黒髪であり、髪は染めていない。髪の長さも、ぼさぼさはなく、短髪である。
しかし、かと言って丸坊主にも刈り上げているわけではない。いわゆる“ロン毛”という髪型ではないことは確かである。
健太が修孝と会う頃の容姿を記せば、そのころには修孝はすでに成人しており、二十代半ばといった年齢である。
修孝はすでに学生服は着ておらず、服装は私服である。常にその刀『霧雨』を自身の半身のように、自分の生業の道具にしているため闘いが絶えず、そのために丈夫な布生地で作られた衣服を常着し、暗色のモノクロに近い色をした長ズボンに、上の服装も下衣に合わせるような色合いをしている服装を好んでいる。
「あとはお前の知っているとおりだ、小剱健太。俺の予知夢を一緒に見た千歳、、、いやクルシュはより良い未来に持っていこうと、必死に動いたが結局はこの様だ―――」
「―――煉獄は放たれ国滅びて、、、俺は、塚本勝勇の所為でお尋ね者・・・。ふっくくくくくっ―――。あぁ―――、チェスターを殺すのだけは、っ、俺だと思っていたが、それもアルスランに奪われ、水の泡―――ッ 俺にとってアイナ=イニーフィナの出現は、チェスターの再来ッ悪夢の再来だッ!!」
そのように成った修孝は、上衣に、裾の長い羽織るような上着を纏い、その下に着込んでいるくすんだ紺色の服を外に見せるように着ている。
下衣は、丈夫な生地で織られた長ズボンであり、その踝までの丈がある。靴も丈夫なつくりをしており、足回りもよく、その刀『霧雨』を充二分に振り回しても、足を取られるような靴は履いてはいない。
猛禽のような鋭い眼差しの黒目、黒色の短い髪。静かに、だが、内面では復讐という目的に、その目標に直行するような猛烈な闘志を持つ青年。
日下流剣術師範代の剣技を会得し、さらに自身の異能と、妖刀『霧雨』の効果を、己の力とし、成すべきこと為すまで生きながらえる青年―――、それが、今では“日之国三強(狂)”の一角『先見のクロノス』と呼ばれている日下修孝である。




