第八十一話 魔晶石モンスター
遅くなりました。マウスが壊れた('A`;)
※誤字や変な言い回しが多かった為、ステルス修正しました。スミマセン
「私どもはどうしましょうか?」
「そうだね。今日中か遅くとも二、三日で帰れると思うから、この辺りで待っていてくれる?」
「かしこまりました。本当に二、三日で? そんな日数ですと、せいぜい六、七層ぐらいが限界かと」
馬車の運転の割に結構詳しいなこの人。気を利かして冒険者を馬車の操車に回してくれたのかな。
「大丈夫大丈夫。どうしても駄目そうな場合は、一度戻るようにするし。俺こう見えてもこのダンジョンだけは得意だからさ。自作だけど攻略本もあるしね」
「は、はあ……」
「それじゃあ行ってくるね」
街を出てから結構なスピードで生誕に到着した俺は、休む間も無くダンジョンへと入って行く。下手に外で休むより、ダンジョンの中のほうが安全というのも滑稽な話だと思う。
過去魔力が無かった時、ダンジョン中で魔力を吸われることは無かった。しかしこうして魔力を扱えるとなった今でも、ダンジョンの中で魔力を吸われている感じが一切しない。
「俺だけの特権かね? 仮にも魔神だし」
この理由はレティにも解らず、結局謎の一つとして残されたままである。
「問題は例の女性が何処にいるかだよね」
ギルド長のフランとファルファシオン伯爵の話によれば、ダンジョン中でトラブルを起こしたのが四日程前。俺が街からここに来るのに一日近く要している為、既に五日が経過していることになる。下手すると死体になっていてもおかしくない日数だ。
「一度誰かに聞いた方が早そうだな」
一番最下層を目指して、俺の実家へと帰ることとなる。
実家にしては随分と帰るのが面倒だなと思いつつ、ようやく到着。魔法陣でも取り付けて、エレベーター式に帰れないのだろうか。
まずはレティかルーカスを探すことに。
「あ、ルーカス丁度いいところにいた」
「え?……ノヴィ殿? 何時帰ってきたのですか?」
「ついさっきよ。レティにちょっと聞きたいことあったけど、見当たらないからさ。ルーカス、ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」
「ノ、ノヴィ殿、魔王様やテレサと一緒ではないのですか?」
「なんでよ。俺が一人で旅に出たのはルーカスが一番知ってるでしょ? あ、そうだこの前借りたお金返しておくよ」
ルーカスに金貨一枚渡しておく。
「渡したのは銀貨ですよ。多くないですか?」
「いいのいいの。ちょっといい臨時収入があったからさ」
「それよりもルーカス。今ダンジョン中にいる冒険者を把握する方法て、知らない?」
「ダンジョン全体となる……大規模なのは少し難しいですね。それに倒された魔晶石モンスターは即時再生成するように、魔王様が改造してしまいましたから……」
「まじで!?」
あの反則魔王様何やってんの全く。
本来モンスターとは魔素が集まる場所に自動生成されるものらしい。ただし生成される時間には、多少なりとも時間を要する。魔素が濃い場所、もしくはダンジョン内に貯めている魔力を使えば、早く生成できるようなことを以前に聞いたことがある。
「ノヴィ様を追いかけると、魔王様とテレサが言い出したのですよ」
「えー、ルーカス喋ったの?」
「私は喋っていませんよ。ノヴィ殿が出てから五十日ぐらい経過していますからね。気づかない事の方がおかしいですから」
「と、なると……、何処か別口から漏れたのかな。ヴィヴィアンあたりが怪しいな」
「私達は魔王様が不在になると説得したのですが……」
「ダンジョンを改造してしまったと」
「はい……」
モンスターを倒しつつ、ダンジョン奥へと進んで行く。極端な話ではあるが、目の前のモンスターを倒し続ければ、いつかは先へ進めるもの。
しかしモンスターが即再生となると、この進行スピードが極端に遅くなる。そして冒険者はこのモンスターとの戦闘を重ねることにより、多くの魔力、回復道具、食糧水と消耗を重ねる。
そしてここ最近の生誕は、冒険者の数が日増しに増加。何が生誕冒険者を取り込む要素となっているのか?
魔晶石モンスター。初心者はモンスターと戦う練習、熟練者は魔晶石を求めてやってくる。
レティやルーカスの話では貴金属の生成には結構な魔力を要するらしく、ダンジョンに冒険者を呼びこむ為の餌に困っていた。
そんな中、俺のあるアイディアが採用された。内容は珍しい魔物、もしくは珍しいドロップ品を落とように考えたのだ。
そして全く新しい素材が生まれることになる。
それが通称『魔晶石』。
この生誕で倒すモンスターからのみ手に入る。巷で研究が始まったばかりの、密かに噂となるニューアイテム。
そもそも、こんなものがどうして生まれたのか。とある結果の副産物であった。
最大のキッカケはあの夢魔族の大軍隊である。アレの使い道に困った俺が働き口を考えた。サキュバスはその数が少ないことから、希少性の高い魔族として扱われていたらしい。
そんな魔族が街中で数多く目撃されれば、討伐対象となることを危惧した。増えすぎたとはいえ、美人の夢魔族が殺されるのは俺も心苦しい。何よりも増やしてしまった原因の一端が俺にもあるから。
本来サキュバスは【黒き力】を燃やす種族ではあるが、現状、働き手が余っている状況であった。ここで俺はアイディアとして、サキュバスの新たな働き口を考えた。
彼女達サキュバスはこちらの世界に出てくる際、肉体を生成する。この仕組みを利用しオリジナルモンスターとか作れないかと、考えてしまったのである。
俺のゲーム脳がちびっ子天才に火を付けてしまう。まずダンジョン内に生成できる貴金属の中でも、一番安いとされる屑結晶を大量に生成。
生成した屑結晶にレティが一定の行動を取るようにと、俺が教えたプログラム技術を応用してしまった。肉体へのアウトプットは散々研究してしまったから、レティが凄い得意気にあっさりと作ってしまう。
そしてこの屑結晶を目印に、サキュバスが魔力を大量に注ぎ込む。魔力は何処から? 精神世界にある例の風呂だ。風呂場の水は魔力水としての純度が高い為、魔力問題は最初から解決済み。
こうして屑結晶を媒体とする『宝石を内包した化物』が誕生。
見た目同じモンスターを作るようにしていたが、ある一点のみ非常に特殊な性質を持ってしまった。モンスターの核となっていた屑結晶が、魔晶石化していたのである。
魔晶石という冒険者を呼び込む名産が見事生まれた。屑結晶を毎回持ち帰られてしまうと、コストが赤字になると思っていたが、生成コスト自体は安いらしい。プログラム済みの屑結晶は自動生成できるよう、生産システムを作ってしまったらしい。
しかし、始めたばかりのこのダンジョンの仕組みは、安定性に欠けていた。サキュバス側の制御も安定していなかった為、魔晶石モンスターの生成にムラがあった。
もともと時間の問題だとは思っていた。俺がダンジョンの外に行ったことにより、レティとテレサがダンジョンを抜ける口実にと、このダンジョンシステムの最適化、改良をかなり頑張ってしまったとのことだ。
以上、このダンジョンには魔晶石モンスターが即時生成される、システムが出来上がったとの経緯である。
次話7/24。
魔晶石関係の話は、次回もう少しだけ続く予定。




