第七十五話 手のひらの上で踊る者達
ノヴィに置いてかれた人達の閑話。読み飛ばしても大丈夫です。
※話は短め。
~夢魔族の場合~
「色街って…………、殺すしかないわね」
生誕内で全く姿を見せないノヴィを心配して、テレサが精神世界に戻って来た。随分と探し回るが一向に見つからないでいる為、こうしてヴィヴィアンに事情を聞くことになったのである。
「でもどうしよう、生誕から出る許可もらえるかしら。以前もレティに生誕から出ることを、禁じられていたの」
「しょうが無いですね。私が知恵を貸しましょう(ゴニョゴニョゴニョ」
「うん。それなら上手く行くと思う。今は貴方が味方で良かったと思うわ、ヴィヴィアン」
「私もですよテレサ(ニッコリ」
「ところでヴィヴィアンは、なぜノヴィを追いかけないの?」
「追いかけたいのは山々ですが、どうしても手が離せない用事があったもので……」
「そう、まぁいいわ。ノヴィのことは任せなさい。とにかく首輪を付けてでも連れ戻すわ」
「よろしくお願いします」
テレサが再び生誕へと帰って行く。
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~小さき魔王の場合~
「というわけで、ノヴィは色街に行ったのよ!」
「あやつ、最近全く姿を見かけないと思ったら、生誕を出ておったのか。何も反省しておらんなあやつは」
「ノヴィを追いかけるわ」
「いかん。テレサは生誕から出るな」
「そうは言っても色街よ!!」
「あやつも男じゃ。そういった店や女の集まるところに、行きたくなるものだろう」
「レティ、貴方は問題を甘く見過ぎているわ」
「何をじゃ?」
「色街は何をするところか知っているの?」
「妾だってそのぐらい知っておる。男が女と子作りの真似事をして、性欲を発散させる場であろう」
「そうね。でももしかしたら、何かの拍子に子供ができるかもしれない。いえ、道中で出会った女と子作りに励むかもしれないのよ」
「別にいいじゃろ。男と女の間に子供ができるのは自然の摂理」
「もしノヴィと女の間に子供ができたら、ノヴィはどうすると思う?」
「大切に育てるじゃろうな」
「そうね。ノヴィはレティのことよりも、子供を大切にするでしょうね」
「え?」
「ノヴィのことだから子煩悩になるわ。なんせ、初めて会った夢魔族の娘が消えるというだけで、必至で頑張っていたわ。自分の子供となったら想像もつかない。今までレティと居た時間は、全部子供の時間になってしまうのよ」
「え? 嘘じゃろ? そんなことはないよ……な、スゥよ」
「正直に言いますと十分あり得るかと……、ノヴィ様は子供には純粋に愛を注ぐ御方ですから」
「そうなのか? 本当に妾との時間が無くなるのか?」
「そうね、少なくともご飯と寝る時間は、間違いなく子供が優先になる。遊ぶときも全部子供優先ね」
……。
…………。
………………。
「行くぞ、テレサ!! ノヴィを追いかけるのじゃ、なんとしてもノヴィの子作りを阻止せねば!」
「そうね、急いで行きましょう!」
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~苦労人の場合~
ルーカスは知っていた。おそらくレティとテレサに黙る必要のあった時点で、こんなことではないかと予想していた。ただノヴィは生誕の為、色々頑張っていた。少なくとも不利になることはおそらくしないだろうと、彼の好きなようにさせたのである。
しかし状況が悪化。テレサどころか、レティまで外に出ると言い出してしまった。
「なりません、魔王様。外に出て行かれてはいけません」
「嫌じゃ行くのじゃ、は・な・せ!ルーカス!」
「な・り・ま・せ・ぬ!!」
「(誰だ入れ知恵をしたのは!!)」
生誕の一番の苦労人が今日も奮闘する。
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~妖精族の場合~
「本当に私もテレスタジアが味方で良かったと思います(ニタァ」
彼女は一言告げると、再び書物を手に取る。
「色街に行くのは気に入りませんが、私がそれを追いかけるのも面倒ですからね。今インターハイの丁度いいところなので、手が離せなかったのです」
彼女が手にしている書物は……某バスケット漫画。彼女は優雅に紅茶と茶菓子を堪能しながら、旦那(予定)のいない部屋でダラダラと過ごす。
彼女の手のひらの上で魔族が踊る。




