第六十三話 ブレイクスルー
俺達が例の武器で遊んでいると、ある二人組がやってきた。
「「どうか我らにも、その武器を作って下さい!!」」
ヴルムとハッセルがレティにおねだりしたのである。
「ふむ。お主達も普段頑張っておるしのう。材料は余っとるから少し待っとれ」
といって三日後には二本新しく増産されていた。
(この武器そんなお手軽に量産できるのかよ)
爛爛とするその目で、期待に満ちている二人。
しかしその二人をどん底に落とす落ちが待っていた。
「「発動しませぬ!!」」
まぁベースが魔法だしな。握れば出ると思ってるあたり、この武器が軽く見られている証拠だ。
結局それから何日も練習してみたが、一向に発動しないでいた。
「お主等はノヴィの魔法の理論を知らないからかもしれんな」
俺が二人に対して地球理論的な物を説明するが、あまり理解していないようである。手でガスバーナーを再現可否が割と鍵かもしれない。レティですら再現に時間が少しだけ掛かっていたようだし。
折角量産されたその武器は、二人の武器庫の肥やしになってしまうようである。
どうせ肥やしになるのであれば、ルーカスが扱えるか試そうとしたところ……。
「この武器、銘はなんと?」
「考えていなかったのう。ノヴィが言っておったなんたらセイバーか、なんたらサーベルで」
「それは止めよう。発案元がヤバイ。何かあった時に責任が取れない」
「そうなのか? 妾は結構名前も気に入っておったのにのう」
気に入ってるなら、なんたらという部分もちゃんと覚えろと思う。
「しょうが無いのう。この武器の銘は……」
「『 絶 対 無 敵 ソ ー ド 』と名付けよう」
「レティのセンスは流石ね」
「素晴らしい銘です」
「我々には思い浮かばぬ才、相応しい銘ですな」
「レティ様は天才です」
なんだろうこの取り残された感。あ、俺以外にも取り残されている奴がいる。ライオンの人がいる。どうやらこのセンスは、魔族独特のものらしいな。
ハッセルがアイコンタクトで、俺に何とかしろと言っている。ハッセルのアイコンタクトを抜きにしても、何とかするつもりではいた。
俺は知っている。この手の最強と名乗る武器。物語中盤や後半に差し掛かると、大抵使い物にならないのである。暫くは世話にならないといけない武器であるため、武器名を変更する必要があるのだ。
(break or through。というか元々breakthroughという単語存在しているよな。技術革新や突破、大いなる前進みたいな意味があった気がする。厨二病末期のような気もするけど、絶対無敵剣よりはマシだろう)
「レティ、その銘について相談がある」
俺はブレイクスルーが祖国語の一つであること、意味する内容を説明してあげる。
「『ブレイクスルーソード』はどうだろう?」
なんか皆ポカーンとしてるわ。あー、俺のこじらせてしまった厨二病にドン引きされているよ。
「おっ、お主天才か……」
「ノヴィ殿の意外な才能の一面を見ましたね」
「ノヴィのじょーりゅーそーちというセンスで心配していたけど、随分と良いセンスしてるじゃない」
「ノヴィ様もお嬢様に劣らぬ……いえ、名付けに関してはそれ以上の天才」
「糞、そんな素晴らしい銘の剣が扱えぬとは……不覚っ」
ハッセルを見てみる。さっきよりはマシみたいな反応をする。魔族のセンスを問われるシーンであった。
こうして俺のネタとレティのチートで、反則武器のブレイクスルーソードが誕生することとなる。
その後、ルーカスも扱えるかどうか確かめてみたが、前者二人よりはマシであったもの、完全に扱うまでは至らなかった。炎の剣みたいなイメージまでは収束できたのだが、明らかに俺とレティが扱える強度になっていなかったのである。
更に余談ではあるが、二本の柄をくっつけた両刃式を告げたところ。
「それは格好良い案じゃが、ちと難しいかものう」
どうやらこの武器。刃に当たる部分の反対側から魔力や酸素をかき集めているようなのである。
ふと水中戦はどうするのだろうと思ったが、俺の授業の一つに水素を取り入れていた為、水素を扱えるところまで出来ているらしい。
「もしかして、これ水素エンジン搭載しているのか……」
現代もびっくり技術満載の超兵器であった。
ちょっと短めですが、剣のネタはこれで終了のため切りました。
次話7/19~7/20予定。




