↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者がいないファンタジー世界で俺は……  作者: アルねこ
第2章 魔神覚醒編
64/92

第六十二話 最強の魔法武器

「アツッ」

「アツッ」


 結局あれ以来、大きな進展が無いまま、二人でこのガスバーナーの練習をしていたのである。


「肉体を高速で修復すれば、一定までは威力を高めることが出来るのじゃが」

「いやいや、レティはできるかもしれないけど、俺は無理だし。それにそれは禁止したでしょ。女の子が火傷の傷とか残すと俺も皆も悲しむから、自滅系は禁止」

「むぅ、そうか」


 あれから気流を上手く使う方法、酸素を集中的に取り入れる方法などを駆使して、威力を高めるということは実証できたが、レティでも火傷をなんとかすることができないでいた。


 そこからガスバーナーは本来どのように使うものかと聞かれる。


「本来は実験道具だね。お水を温めたり、家庭的なものになると調理に使ったりするんだ」

「ノヴィは本当に変なところから来たのじゃのう。武器には使ってなかったのか?」

「うーん、ガスバーナーとは仕組みが違うけど、炎を使った武器では火炎放射器かな。俺が使った浄火(セイクリッドファイア)のイメージはそれに基づいているよ。あとは炎ではないけど、似たような系統の武器はあるね」

「どのようなものじゃ?」


 俺はガン◯ムに出てくるヒート◯ークとか、ビーム◯ーベル的なものを説明してあげる。


 中途半端になってしまったけど、ビーム◯ーベルについては電気から始まり、荷電粒子などの説明も含める為、相当な時間を要した。


「ノヴィの世界では、そのような凄い武器が出回っておったのか?」

「いや空想の世界だね。こっちで言うと、本とかに出てくるんだ」

「でも本に出てくるということは、考えついたものがおるのであろう?」

「そうだね。最初に考えた人は凄いと思うよ。最初はなんだろう。ビーム◯ーベルか映画のライト◯イバーが原型な気がするけど、俺もわからないな」


 レティが興味深そうに聞いてくるので、色々話してあげる。


「お主の炎魔法。そのなんたらサーベル、なんたらセイバーと似ておらんか?」

「んー形は似ているね。ただあっちは多分電気や電荷の力だから、炎と根本的に違う気がするな。俺もちょっと自信が無いけど。炎で実現するとなると、それこそ燃えない柄を作らないといけないからね」

「そうか…………いや待てよ。ちょっと宝物庫を見てくる」


 そう言ったレティは部屋を出ると、急に音沙汰が無くなったのである。その一方俺は黙々とただ、炎の研究に努めていた。



 ~十日後~



「おいノヴィ作ったぞ!!」

「ん?」

「だから作ったぞ。お主の言っておった、なんたらサーベル」

「え? 電気の力あるの?」

「それは知らん。だから炎で作った」


 おう。教えた俺が言うのもなんだが、ちょっと分からないことを言い出した。


「ほら、はよ持て。ノヴィの分じゃ」


 レティから手渡されたのは、確かに剣の柄らしきものであった。イメージは俺が伝えた、ビーム◯ーベルやライト◯イバーに近い鉄筒である。


 そしてレティの分も合わせ二つ。レティによれば、竜の牙の素材やら色々使って、燃えない柄を実現したらしい。そもそも本来魔法の発動に対して、このように媒体を出入口にするという発想が無かったとのこと。この世界には、既存の武器に属性付加(エンチャント)と呼ばれる技術しかなかったらしい。


 現代的に例えるなら、ホースの先にシャワーヘッドや、圧力の高いウォータージェットという出力口を作ったという雰囲気らしい。従来の魔法はこの飛び出た水に、力や手を加えていたとか。どうやって作ったのかは一切知らん。


 でもよくよく考えてみると、これって聖剣(エクスカリバー)に似た感じである。吸い上げた力を剣で出力しているだけだし。そうだやはり聖剣とコンセプトが似ている。あれは完全に見た目が剣だけど、水やりに使うというイメージが入っている為、俺的には割としっくりハマる。



 俺達の魔力をダイレクトに吸い上げる為、魔力がそこそこ無いと、出力も大変とかなんとか。とにかく一度試しにやってみようということで、一番広そうな玉座の間にやって来た。


 ~ヴォボボボボボボボボボボボボボボボボボボ~


「なんか、物凄いヤバイ音がするわ」


 ライト◯イバーが、ヴン、ブゥ~ンという感じであるとする。今手に持ってる武器は、とにかくエネルギーが常に燃え続け、燃費無視でゴゴゴゴゴゴと超超最大出力になっている感じなのだ。


「ノヴィの言っていたのはこれじゃろ?」

「そうだね多分これよ。凄いなレティは、俺の説明とイメージだけ作っちゃうから。天才だよレティ」


 なんか違う気がするけど、レティが凄い嬉しそうに言うから褒めてあげる。レティが嬉しそうだし、別にこれでもいいよね。


 とりあえず二人でチャンバラごっこ的な遊びが始まった。


 二人とも剣術は丸っきりであるため、完全に子供の遊びである。ただ武器が恐ろしく凶悪。


 実は試し切り用に不要な鎧を用意してもらったところ、一瞬で切り裂いたのだ。いや正確には、溶かし裂いたという感触。抵抗感が殆ど無く斬れてしまったのである。


 凄い燃費悪い感じだったので、一度心配になってヴィヴィアンに聞きに行ったところ、今のところは特に影響が無いらしい。あまり燃費が悪いようであれば言ってくれとは伝えたが、私のものはノヴィ様のものですから、心配しないで下さいとか言われたわ。


 とりあえず二人でチャンバラごっこで遊んでいると、ある男が俺達に目をつけた。


 ライオン丸ことハッセルである。


「我の自慢の剣を見よ!」


 とかいって、俺達のチャンバラ遊びに混ざってきたのである。だがライオンが直ぐに涙目になる羽目になった。俺の剣撃を受け止めようとした際、問答無用でその剣を溶かし切ったのである。結局、涙目のままライオンの人が去ってしまった。


「ハッセルに悪いことしたかな」

「まあいいじゃろ。ノヴィは最初に止めておいた方が良いと、伝えておったしのう。それよりも続きじゃ。次は妾がダー◯・ベイダー役じゃぞ」


 結局二人で星の戦争ごっこを始める。しかしこれで終わりではなかった。そうライオンはこの生誕でも最弱。次の刺客が勝負を挑んできた。


「俺とも一度手合わせ願おう」


 トカゲのオッサンことヴルムが勝負をふっかけてきた。


「いやいやマジでやめたほうがいいよ。ハッセルの武器なんて、一発で駄目にしちゃったからさ。この武器想像以上にヤバそうな代物だよ」

「大丈夫だ。俺のコレクションの一つから、竜の牙で作った逸品を持ってきた」


 何やら竜の素材は熱耐性が異常に強く、その中でも炎袋とブレスを直接浴びる牙は、炎属性を無効にするらしい。


 といった流れで始まる。


「いつでもいいぞ」


 ヴルムが余裕で構える。まぁ炎属性が効かないとなると、普通の剣術勝負になっちゃうからな。俺では勝ち目が薄い。


「いくよ。お願いします」


 で、俺が一振目を横から一気に薙ぐように払うと、予想していた通り、ヴルムの剣に阻まれた。


(やっぱりこうなったか。まぁ負けても当たり前だし、こうなったら手当たり次第に切ってみるかな)


 そう考えると、二振目の瞬間であった。ヴルムの剣を透き通ったのである。


「ヤバッ!!」


 寸前で剣をなんとか逸らす。ヴルムも尻もちを突くように回避していた。


「おおおおおおおい!! ノヴィ何だその剣は!?」

「いやいや、俺も知らないって。レティが作った剣だし」


 あまりの異様な動作に、俺とヴルムがレティへ確認する。


「壊せない武器があれば、いつかこっちの武器が折れるかもしれないからの。一定の衝撃を感知すると、炎の収束率と出力を瞬間的に下げるようにしてみたのじゃ。アッハハハハハ」


 レティといえば、ヴルムが尻もちを付いた姿を初めてみたらしく笑っている。俺はヴルムを溶かす寸前だったから、マジで笑えないわ。


 それよりもレティがとんでもないことを言い出した。折れない武器を作ったのだ。折れ難い武器ではなく。折れないだ。一定の強度と炎が感知した武器に対してだけ、出力を弱くするように設定したとかなんとか。しかも炎属性を無効にする竜の素材に対して実践してしまった。


 とどのつまり、炎属性無効に対しても、有効打にする武器を作ってしまったのである。例えば炎属性を無効にする鎧を付けていた相手と相対していても、鎧を通り、中にダイレクトアタックするらしい。超高出力な攻撃力でも驚いていたが、ソレ以上のトンデモ兵器であった。


 俺の理論で考えると、無効属性の物質が通った瞬間、力は遮断される為、刃が短くなった状態になるかと考えたが、どうやら違うらしい。あくまで収束率と出力を落とすのは、その無効とされている部分だけらしい。何やら宝物庫に似たようなアイディアのアイテムがあった為、それの魔法図を参考にしてみたとかなんとか。


 そもそもこの武器、折れても無限再生できる。なんせ魔法だ。この武器の一番ヤバイところは、レティがオマケが感覚で付けてしまった付加効果。


 魔神属性(アイツ)が言っていたことを思い出す。


 レティが反則存在(チートキャラ)だったことを忘れていた。

次話7/19予定。


もう一話分だけ武器の話が続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。