第五十一話 魔神式蒸留装置…………姉さん、事件です。
アップが遅れました、すみません。引き続きよろしくお願いします。
さてあの天国と地獄の狭間から生還した俺は、次なる目標の為、準備をしていた。庭先に設置されている外の倉庫こと『マジカル倉庫』にてあるものを探していた。
先に余談ではあるが、あるテストしてみた。
自分が仕組みを理解し、かつ構造が割と複雑で、素材などを把握してそうなものが無いか探してみたのだ。
「出てきたぞ 『 自 転 車 』 が…………」
俺は自転車をそっと倉庫に戻す。
間違いない。この『マジカル倉庫』、精神世界においてトンデモ兵器である。俺が創造可能な範囲、である一定サイズのアイテムを構築してやがる。◯次元ポケットよりも凄いぞこれ。
以前にあれだけガサゴソ探していた時には、自転車なんて無かったのに。自転車の詳細な【材料】と【イメージ】を持ちながら漁ってみたら、速攻出てきたのである。流石に切替装置みたいなのはなかったが、ゴムタイヤとか余裕で付いてるわ。しかも微妙に細かいイメージは補完してくれてる。マジ怖いよ!
間違いない。俺の家にある中でも、この倉庫トンデモなくヤバイ代物だ。考えたくはないが、アサルトライフルとか片手間ついでに出てくる予感がしてならない。
そんなことを考えながら、ある物品を取り出した。『ブルーシート』『パイプ』である。
俺はブルーシートを持って、風呂場へと向かっていく。風呂場の出入口にパイプを取り付ける。その後、ブルーシートで隙間を無くすように処理していく。面倒だから取り敢えず、ガムテープで貼っておいた。台所に余裕で置いてあるガムテープ。
パイプの先には台所下から取り出したヤカン。
お風呂を自動運転でスイッチON。ついでにリビングのエアコンをON。
暫く暇潰しをしながら待っていると、ヤカンにポタポタ水滴が溜まりだした。
「ハハハハッハハハハ、みよ!これが科学のコラボレーション。俺式蒸留装置だ」
実は最初、秘術でパパっとやってみようかなと思ったが、秘術で魔力を含ませてしまう可能性も予想された為、研究がてら『蒸留装置』を試してみたのである。
向うの世界で『蒸留装置』があるか知らんが、こっちではやりたい放題だ。こっちの世界の基準なんて知ったこっちゃない。
因みに『マジカル倉庫』から『蒸留装置』を直接取り出さなかった理由だが、……出したら負けな気がした。それだけ。
いつものように紅茶を入れに来たヴィヴィアンが当然気づいた。
「なんですかこれ?」
「俺式蒸留装置」
「また意味不明なものを…………」
偉い人にはこれの創意工夫がわからんのですたい。誰かに褒めて欲しいと思うけど、自動お湯はり機能とエアコンというオーバーテクノロジーを利用している為、そっと諦めた。
そして、数時間程掛けて作った。
テテテーン 『サキュバスの大好きな水(仮)』!!
青いネコ型ロボット風に取り出す。ヤカンに貯まった水をすこ~しだけ、舌に乗せてみる。
「ペペッ、うえっ。マッズ、なんだこりゃ」
ガチで不味い飲み物が生まれてしまった。この世界に来て以来、こんな糞不味い飲み物を飲んだのは初めてだった。
試しにヴィヴィアンにも、慎重に慎重に慎重にテストしてもらった。
「う゛オエッ────」
~しばらくお待ち下さい(花畑)~
ヴィヴィアンも過去味わったことの無い、とてつもない不味い飲み物であるらしい。すげぇ恨まれたわ。
だが、これでテストがほぼ完了したものである。あとは試しにテレサに飲んでみてもらうだけだ。
早速テレサに来てもらうことに。
「本当に少しずつでいいからね。駄目そうなら、直ぐにペッて吐き出していいからね」
「わっ、わかったわ」
元々この世界の飲み物が毒である彼女。恐る恐るカップに口を付け始める。
「大丈夫……そうかも。うん。凄く美味しいわノヴィ!!」
凄い嬉しそう。苦労して作ったかいあるわ。本当に色々な意味で。主に天国の記憶を思い出していた。
「ノヴィ、鼻血が!」
「ごめんごめん。紳士の鼻水だ。気にしないで」
しかし、問題が発生した……。
美味い美味いとガブ飲みしてしまった、テレサがおかしくなりだした。
なんというか凄い頬が赤くなって、コチラをトロンとした目で見つめるのだ。しかも物凄い体をクネクネしてる。
「酔っ払っ……ている?」
「ノヴィ様、今のテレサに近寄ってはなりません」
「これお酒に酔っ払ったとか、そんな感じじゃね?」
「いえ違います。この女……いえこの雌、発情しております」
「発情? ムラムラしちゃってるてこと」
「そうですね。ムラムラですね」
「そうか、ムラムラしちゃったのか」
「理由は…………多分さっきのアレですが、ムラムラしてしまった以上、彼女をこの場で一人にさせてあげることが温情かと」
「そっか。一人にしてあげれば解消できそうなの?」
「そうですね」
俺とヴィヴィアンは家を後にし、暫く森で時間を潰すことに。
数時間後。
家に戻った後、テレサは顔を真っ赤にし、涙目で逃げて行った。
「うわ~あああああああん」
無事解消できたらしい。可愛いなアイツ。
ヴィヴィアンに頼み、あの養◯酒で使った、花の蜜を分けてもらう。上手く行けば、このスーパー蜜流用できると直感したのである。
過去の過ちに懲りたのか、凄く慎重に試飲するテレサ。
「うん、大丈夫。前よりも甘くて飲みやすいぐらい」
こうして無事『サキュバスの大好きな甘露』が完成する。
そしてネリサの元へと向かった。
「ネリサ、久し振りだね」
「魔じ─様……お─しぶ─です」
なんか明らかに前より消え掛かっていた。馬鹿やってないで、もっと急いだほうが良かったかもしれない。
とにかく、『甘露』を少しずつ飲んで見るようにと口に入れてあげる。
「すごくおいしいです。魔神様」
「大丈夫そうなら、飲んでいいからね。ただ、一度には全部飲まないよう──あっ……」
手遅れだった。ネリサも美味しい美味しいとガブガブ飲んじゃったのである。
どうしよう。俺これ責任取れる気がしない。こんな子供に解消の仕方教えるなんて、とてもだけど無理だよ!
どうすんのマジでこれ。テレサとヴィヴィアンに助けを求める、目を逸らされた。
慌てふためく俺達の前で、神秘的なファンタジーを目撃することとなる。
急にペカーと光りだしたのである。
「どうなってんのコレ!?」
「分かんないよ!」
テレサも知らないらしい。
しばらく光を見守っていると現れた。大人になってしまった『ネリサ』が。
「ネリサすごく大人っぽくなってない?」
「ノヴィ様アレです。進化ですよきっと。◯ケモンや◯ジモンだって進化すると、光るじゃないですか」
ヴィヴィアンやめようよ、そのネタ。結構ギリギリだと思うの。メーカ怖いから気をつけよう。
あれだ、やったね!子供のネリサが大人のネリサに進化したよ!的なノリだったらしい。
念のため。体の不調が無いか確認してみる。
「全然大丈夫です! 凄く元気になりました!」
そして元気をアピールするようにピョンピョン跳ねるのだ。
ネリサ、今の君のジャンプは危険だ。危険過ぎる。跳ねる度に、一緒に成長したおムネ様も跳ねてしまうのである。それはもうバインバインと。
ちらっとヴィヴィアンを見たところ、凄い恨めしそうに見ていた。
「魔神様。大人にしてくれてありがとう」
犯罪スレスレなお礼を貰い、無事家に帰宅することとなる。
翌朝、トンデモない事件が巻き起こる。
「姉さん、事件です(姉いないけど」
俺の家の前で、サキュバスの子供達がズラッと待っていたのである。君たち何処にそんなにいたのさ?
「「「「「魔人様、わたしたちをおとなにしてください」」」」」
それはそれは幼◯園の小さい子が皆で言うように、お願いされたのである。回廊に行くと、ヒソヒソ話の対象となっていた。
次話は7/16予定
魂の回廊編はあと1~2回で終わりの予定です。




