第三十四話 学校を数日間ズル休みした後、久々に登校するあの感覚と似ている
7/12 0時頃に三十三話アップ済みです。ご注意下さい。
「まじで、お前生きていたんだな」
「あー、やっぱり死んだと思われていたんだ」
「いや、俺以外はみんな生きていると言っていた」
「生き延びることができたのは、ハッセルがサイクロプスについて凄い語ってくれたお陰なんだけどな」
「てめぇーソレだよ。良くも騙しやがったな、この野郎」
「イヤイヤ。俺は砂時計が落ちるまでの間でいいからさ、と言ったのに、ずっと語っていたのはハッセルだよ」
「てめぇ相変わらず口だけはよく回るな」
久々のライオン丸との遭遇後、俺とハッセルはアレコレずっと話していた。最初はドキドキしたもの、『元気だった?』『元気だったじゃねーよアホ!』という流れで普通に喋ることができた。いや、前よりももっと楽に話せている気がする。うんうん良い感じである。
そんな俺達の並び順は最初の頃と少々変わる。先頭に俺、ハッセル。続いてリリアン、ヤスィー、ニュトンの並び方。
先程遭遇した際、いきなり戦闘の構えになるから凄い焦ってしまった。とにかく戦闘を止めなければと思い、間に飛び出した第一声が『元気だった?』である。上手いことコンタクトが成功して良かった。ハッセルとの対話がうまく成功したことにより、残りの面子の会話もほぼ解決できると思っている。
先にハッセルに紹介しようかとも思ったが、二度手間になりそうな感じがした為、他の方々の紹介は後回しにした。俺とハッセルが仲よさげに話すその姿に口をパクパクさせていたが、とりあえず最下層に行きましょう的な展開が現在のこと。
「そういえば聞きたいことあったんだけど、ハッセルは獣族だよね?」
「なんだよ今更。獣人だから馬鹿にしてるのか?」
「いやいや。俺さ人族のところに行ったときに、半獣の子と仲良くなったんだよ」
「ふーん。それがどうしたんだ?」
「ハッセルも半獣の子を脆弱な人族とかそんな認識しているのかな?てさ」
「獣族の大半がそうなのは間違いないな。ただ獣族全員がそんな馬鹿な事考えているわけじゃないぜ。ただ、人族と仲良くなろうなんてする獣族がいたら、直ぐに殺されるけどな」
ハッセルと話して良かったと思う。獣族の皆が皆偏見を持っているわけではなく、あくまで過激派の奴等が中立派を抑えこんでいるようである。
あれ?じゃあなんでコイツダンジョンにいるんだ……。仮にも人族を狩るような立場だと思うが。そんなことをぶつけてみる。
「ノヴィ暫く見ない間に、随分と踏み込んだこと聞いてくるじゃねーか」
「俺さ仲良くなった半獣の娘のこと好きなんだよ。わかる? ラヴ、愛だよ愛」
「そんな言わなくてもわからぁ! てかお前も本当変な奴だよな」
「好きな子が獣族の血も引いてるからさ。獣族のことも知りたいなて思っているんだよ」
「別に大した話じゃねぇよ。昔俺が冒険者だった頃、ダンジョン潜った時に人族に裏切られた。その時助けてくれたのが先代の魔王様でな。それからこの生誕にいるってわけだ」
コイツはコイツなりに事情がありそうだ。俺が話した中で種族の差別意識が無かったのコイツじゃね?と感心してしまう。
「そーいやノヴィ。おめぇ半獣の娘を好きとかなんとか言ったが、テレスタジアのことはどーすんだよ」
あーそう、それね。俺の中で一番由々しき問題である。ココに連れて来られた問題の一つである為、解決するべき問題だ。
「まーなんとかするよ。半獣の娘が好きなのは本当だしさ。テレサには悪いけど、ちゃんと断るつもりだよ」
「俺が言うのもなんだが、夢魔族があれ程入れ込む姿は初めて見たぜ。おめぇが他に好きな奴がいるって言ったあとの、アイツが想像つかねぇよ……」
別に夢魔族だからお断りするとかそんな気は無い。美人であるから好かれていた当初は悪い気がしなかったのであるが、今はファンレという実質恋人みたいな子がいる。あれだけ好意を示してくれたのだから、ファンレに対して一筋でいたい。
そんな互いの事情を話していると最下層に到着する。遂にご対面である。やっべぇ、やっぱりドキドキするわ。
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「おー、やはり生きておったかノヴィ」
「ご無沙汰しております、魔王様」
この小さい魔王様。向うからフランクに話してくれるから助かる。なんだかんだで話題振りやいい意味で空気を壊すのが上手いのである。
取り敢えずまずは、一緒に連れ添った、リリアン、ヤスィー、ニュトンと紹介する。
「皆ノヴィの友か。よい歓迎するぞ」
おおおおおおお、なんか上手く行く予感はしていたが、いざ目の前にすると凄い嬉しい。
(ノっ、ノヴィ……)
俺の袖をクイクイ引くエルフさんがいる。
(なんですか?)
(アレ本当に魔王?)
(超魔王っすよ。マジで魔王様)
(私の知っている魔王と随分違うのだけど)
リリアンの魔王基準がイマイチ分からないが、俺の魔王様はこの目の前にいらっしゃる幼女なのだからなんとも言えない。
「それはそうと魔王様」
「なんだ?」
「実は先に魔王様と皆に謝りたいことがありまして……」
「なんだ、言ってみぃ」
「黙ってダンジョン出てしまい、スミマセンでした」
頭を下げると同時に謝罪の言葉を述べる。
「よいよい。妾たちも、お主がダンジョンを脱出できるほどの力量を持っておらぬと、ずっと馬鹿にしておったからな。それにお主は今謝ったからな、黙って出て行ったことは怒っておらぬ」
やべぇ超安心した。肩の荷が一つ降りたことに、まずは安堵する。
「実はまだありまして……」
「なんだまだあるのか。さっさと言え」
「俺を蘇らせてくれたこと、ご飯食べさせてくれたこと、後ついでに若くしてくれた事もろもろ全部、ありがとうございました。感謝しております」
頭を下げても反応が無い為、魔王様を見る為、チラッと視線だけを戻す。
思ったよりポカーンとしているぞ魔王様。
「あ、あのぉ…………」
「フフフフフッ。まさかそんなこと言う為だけに、戻ってきたとか言うのではあるまいな?」
「その……まさかなんですけど……」
結局吹き出した魔王様が大笑いを上げる。
「お主は本当変な奴じゃの。蘇らせたのはこっちが勝手にやったことじゃ、気にするな」
こうして俺の肩の荷が降り、再び安堵する。やはりこの蘇生の件は皆の関心を引いてしまったようである。俺を見る皆の視線が今日一番の驚愕に満ちている。
うん。きっと蘇生の話題で俺を見てるんだよね、みんな?
俺の首に抱きついている夢魔族に驚いているとか、そんなんじゃないと思いたい。
そう、俺がこうして魔王様と割と真面目に話している最中、ずっと俺に巻き付くように絡まっている女性が居た。誰かは言わなくても分かる。取り敢えずスルーしようとしたのに、未だスリスリしながら抱きついてるのである、この女。
自分の姿は自分で見えない。客観的に見た場合、凄いシュールでいながら、羞恥に満ちた光景であることはなんとなく想像ができた。
俺の要件は一通り済んだこと。妖精族か誰か知らないが、魔王様と是非話したいと言っている人物がいることを説明する。
「ふむ、その者とはどヤツのことじゃ?」
「すぐお呼び致します」
セレクティアが前に飛び出すと、幻想的な青く美しい髪の女性が降り立った。
(ファッ、ファンタジーや)
この世界で初めて、女神っぽい女神を目撃した。俺の感想であった。
サブタイは適当。銀◯ぽいけど気にしないでください。引き続き、次話は7/12アップ予定。




