瓦礫と星座
顧客マスターのほうも商品マスターと同様。空白の処理やカンマ抜きから取り掛かる。表記揺れにパターンが見受けられる。たとえば株式会社の書き方はいろいろあるが、たくさんあるわけではない。「株式会社」と「(株)」と「(株)」と「㈱」だ。こんなのはすぐ終わるので、さっさと進めよう。
電話番号は、Excel で開くと冒頭の 0 が落ちてしまった。よくあるミス。今後も起こりうるから気を付けよう。
面倒なのが郵便番号。ハイフンありとハイフンなし。全部抜くのが簡単な処理だが、電話番号と同様の 0 落ち事故がないとは言えない。ここはハイフンありをルールにしよう。
そして住所。筆まめから書き出したデータは都道府県、市区町村、地名番地に分割されている。しかし分割のおかしいものがある。入力時のミスがそのままになっている。これは手作業で直すのが手っ取り早い。秀丸エディタを起動する。
締め日、支払条件の項目は確認しないとわからない。それから支払い方法と担当営業。今はすべて卸売だ。今後、消費者直売をすることになったらどう変わるか。想像もつかない。
「レーザープリンターを買ってきました。EPSON LP-1500 です。後継機種の LP-1500S が出たばかりなので、なんと 3割引きで買えました」
「安かったんですね。いくらくらいですか」
「ええと、残念ながら安くはないんです。旧型でもレーザーなので」
朝礼中なので工場も含めた全社員が微妙な顔をしていた。最近の社長はお金を使いすぎなのでは。でも経理の斉藤さんによれば、ルール違反でない方法で調達してるから大丈夫とか。
「昨年までは、住所録から年賀状の送り先を選んで送っていました。今年は名簿の全員に送ることにします。届かない相手はそこにいないということです。郵便局をデータチェックに利用するという作戦です」
戌年なので犬のイラスト。白い犬がお腹を見せている。印刷屋さんで社長がほとんど迷わずにこの絵に決めた。白犬だからおもしろいと言うので、それは親父ギャグだと評したら、江戸時代からあるぞと返された。
午後、Excel に名簿を入れて印刷の用意をしていた。しばらくして高速で印刷が開始された。宛先不明で戻ってくるのを反映させて、顧客マスターは完成する。それを待って運用を始めるぞと社長が言った。何を運用するかはわからない。
比野文具株式会社の登場人物
比野真二 社長
裕太 営業
美香 事務
斉藤さん 経理(週4)
山下 営業(予定)
竹山 工場長 Filofax Winchester
共用 PC-9821Ae EPSON LP-1500
お蔵入り PC-PR101/T101




