第203話 副将戦①
何故か満面の笑みで気絶している変態を担ぐはめになったのは帝王ドラゴ。同僚の尻拭いみたいものである。
ただ瀕死でないからか、そのままドサッと、もう一匹スヤスヤァと眠る猫娘の隣へと無造作に置かれるのだった。
「───して、次は誰が出るのだ?」
「私が戦っても宜しいですか、ジュン様?」
ドラゴの問いに答えたのは零だ。
「いいけど、なんで?」
「おそらくですが、次の相手が、あの障壁使いになると予想されるからです」
「あーーーこの前の借り…………じゃないけれど、ちゃんと一撃入れたいってわけね」
「左様でございます」
零は深々と頭を下げている。
了承得られるまでずっと。
しかしながらこの行為、『意見して申し訳ない』という意味を表すものではない。
それがハッキリと解るのは、了承を得たあとに見せる笑みだ。顔を上げた時のほほ笑みに闘争心が混ざっていることくらい身内なら誰もが理解できた。
「な、なら大将戦は唯壊か紅蓮のどちらかね。型はもう絶対無理だろうから、二人とも準備しといてね」
「了解です」
「いつでも大丈夫なの」
先鋒・中堅・副将戦は挙手制を採用し、次鋒戦は同レベを選抜、大将戦も選抜となるが、どちらも同程度の強さだと認識しているために、相手の出方次第。
【五連星】ならば唯壊、【聖なる九将】なら紅蓮と心を決めたジュンは、今は意欲ある彼女を大いに激励することにした。
「期待してる」
「ありがとうございます」
零が『勝利を捧げる』とまで言わないのは、先のニシミヤライトみたくなりたくないと思っているから。だがしかし、変態の本気度はしっかりと伝わっている。共感さえしている。疎ましく思われるほどに。
これは決闘。
勝ち負けは意を解さない。
能力や性質を測ることにこそ長け、勝利は二の次。もしくは次回、本当の戦いで勝てばいいのであって、ある意味で言えば遊戯でもある。
つまり、障壁攻略の糸口を探るに徹する時間。
破壊でも熱でもなく、普通の攻撃で方法を見いだせるかどうか。
創造主により最初に創られた守護者は決闘という名の戦場へと歩み進める。
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