第193話 とある場所①
無の空間、一面は真っ白。家具も置いてないその部屋に集合した3名。
一人は男、黒い服、腰に刀を携える。
一人は女、白い服、車椅子に乗っている。
もう一人も女、黄色い服、この空間は彼女によって作られ維持されている。
「招集したということは、征服王を動かしたようね」
「………」
「案外、楽勝だったわ。あくびが出るくらいね」
3人は互いに互いの距離をとっている。
同じ組織に属するといえど、仲良し小好しではない。ベッタリと干渉する気は誰一人としてない。
間合いは、敵と対峙する時の適度な幅。
「敵は撒き餌に釣られた………〈異世界の神具〉の準備は?」
「………」
「今してるとこ、ヒョウジンに頼んでる。秘密厳守なのか、希望する道具は紙に書かれて渡されたらしいわよ───厳重に密封された上でね」
〈異世界の宝具〉しかり〈異世界の神具〉は他世界に広く点在する。しかし、全ての在り処を知る者はいない。道具欲しくば、僅かな情報より見つける所から始まる。
道具が存在しない世界も稀にある。現在地の世界がその例。道具なくとも能力者という存在で成り立つ世界もあるということ。
したがって、道具の認知度も千差万別。便利さを知らぬまま、生を終える者達だって億千万と数え切れない。
この場にいる者達もだ。個人の能力が強いのもあって道具を必要としないために、探したり用意したりとするのは専門家に任す。彼らにとっては、それがヒョウジンら【五連星】にあたる。
「そう───で、日取りは?」
「………」
「来週」
「こちらの面子は?」
「………」
「第一位と三位の私……あんたは出ない、でいいの?」
「私の力は広範囲って知ってるでしょう。ドラゴの承認条件に引っかかるから出れないって決めた、忘れた?」
「………」
「はいはい」
「残りは?」
「………」
「【五連星】の誰かと───」
「と?」
「………」
「当日のお楽しみ。私らほど強くはないけど、一度強さを知りたい奴等がいたから、丁度良い機会と思って誘っておいた」
それ以上、片方の女は問い掛けない。代わりに、ずっと話を聞くに徹した──無口の──男が口を開ける。
「前…哨…戦、復活の前の、相手を推し量る」
女も呼応した。
「そうねぇ、練習試合みたいなものだけど、さらっさら負ける気ないわ」
「負けないでしょう、あなたの障壁固いもの………私は壊せるけど」
「は?やる気ぃ?ここで??」
詰めない間合い、されど起こりかねない戦闘。ただ────
キンッッ、という刀の抜き音が聴こえたところで、両者とも動きを止め、元の位置に。
「………解散だ」
頷きと共に障壁が薄れる。
そして、彼らもまた散り散りに───
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