第27話「詐欺」
俺は無言で、寝ているセリカを起こしに行く。
「待って待って! うそうそだよ! 知ってるって! 」
「知ってるのかよ! じゃあ教えろよ! 」
神様は悪そうな顔をしながら
「タダで教えるわけないでしょ 」
「分かったよ。 もういいよ仲間に入れるよ」
正直、戦闘不能に出来るってことは殺せないがそれなりに戦うことは出来るだろ、そのあと俺が普通にトドメを刺せばいい。あとの使い道といえば、ゲームを楽に攻略するには攻略本必須だ。少なからず、地形とか場所とかにはこいつ詳しいから役に立つだろ。
「契約は成立だね。じゃあ教えてあげる」
今から俺は発売当日のゲームのラスボスをネットで検索しようとドキドキしてるわけだが、なんだろうあの神様の顔、どうも胡散臭いとても知ってるとは思えない。
「おっとその前に、とりあえずこれ付けて」
神様が黄色の指輪を渡してくる。
「なんだよこれ」
「いいからいいから」
付けるかどうか考えていると、無理やり俺の左手の薬指にはめられた。
「なんだよこれ!? 逆プロポーズのつもりか? 」
そう言うと、神様は何も言わずクスクスと笑っている。
····嫌な予感しかしない。
「で、神様。 親玉を早く教えてくれよ」
「あーそうだった。 えっと邪神軍の親玉はね·······」
ゴクリ
「親玉なんだからつまり強いわけだよ! 邪神軍の中で一番強いのが親玉だよ! 」
··············
「それで? 」
「ん何が? 」
「どこにいるんだ? 」
「そら、邪神軍の城でしょ? 」
「じゃあ使う魔法は? 」
「知らん!! 」
「武器は? 」
「知らん! 」
「特性は? 」
「知らん」
「どんな攻撃するの? 」
「だから知らんと言ってるだろ! 」
神が自分勝手にも逆ギレしてくる。
「なんでお前が逆ギレしてんだよ! 」
「知らんのに何度も質問するからだろ! 」
「お前が知ってるとか言ったんだろ! 」
「答えたじゃないか! 強ぇ奴が親玉だって! 」
「どこの世界に弱い奴が親玉なんてことがあんだよ! 」
俺は、はぁと大きな溜息をつき、
「さっきの神様との契約は無効だ! 無効! 」
神様がにたりと笑い、さっき付けられた黄色の指輪を指さす。
「契約は向こうにはできないよ」
「え、まさか。 結婚してやったんだから、冒険にぐらい連れてけって?」
「だ····誰が結婚したんだよ!君となんかする訳ないだろ! 」
顔を真っ赤にしてくる反論してくる神様····
あの性格さえ何とかなったら普通のかわいい女の子なのに····
「それ契約の指輪ね。それ付けたら神様権限で契約破れないから」
「は?ん」
いやいやいや、待てよなんで俺が、いつか結婚相手に付けられるかもしれない、愛しの薬指にそんなバットリング付けられなきゃいけねぇんだよ!
「と言っても破ったらその瞬間、指輪から心臓向かって毒が漏れだして即死しちゃうんだけどね」
バットリングっつーか、ただの汚ぇデッドリングだったぁぁ!
やべぇよこいつほんとに神様かよ? 悪魔様の間違いじゃないの?
つーか、その前に少女としてどうなんだよ! どうゆう神経したら、男にそんなデッドリング埋め込めんだよ! 普通、女にとってあれってあれなんだろ大切な儀式的なあれだろ。
「まぁ、そんなことは置いといて···」
よし決めたこいつあとで殴ろう。
しかし俺はこんなことしてる場合じゃない、さっさとセリカ起こさないと、あとが大変に····
「あのさカケル君。 さっきから思ってたんだけどさ、これなに? 」
神様は自分の足元を指さした。
「それ女王ぉぉぉぉ」
いろいろあって忘れてたけど、こいつ女王の上から降ってきたわけだから····つまり女王今まで下敷きに····
「おいお前まさか殺してないだろうな。 まじそれ重要な人だぞ多分」
神様は女王の肩を持ち上げ、無情にも思いっきり揺らし
「じょうおうぉぉ生きてるぅぅ? 」
「女王ぉぉぉぉぉ」
俺は神様の頭を殴り、女王の体を奪う。
「てめぇふざけんなよ!───」
「え、だって生きてるかの確認を····」
「もっと安全な確認方法あんだろ! もし、首の骨折っててあんなことしたら即死だろ 」
マジでやるとこ悪魔かよ──
俺は女王の首を指で抑え、脈があるか確認する。
「大丈夫だ。 生きてる」
「そりゃあ私軽いもん! 」
「ちょっと黙っててもらえます? 」
俺は女王を床に寝かし、何度目であろう再びセリカを起こしに行く。
──そう言えばあいついつまで寝てんだよ。
みんなと違ってセリカちゃんは、ただの昼寝だろ。
「おい神様そこから動くなよ」
「息は? 」
「するな! 」
もうこの神様に構ってる余裕はない。
俺は寝ているセリカに近づき、起こそうとほっぺに手を近ずけた瞬間
「あの子誰ですか? 神様ってほんとですか? 」




