第28話「台本の手違い」
「セリカちゃん!? 」
セリカは、起こす間もなくというか普通に起きていた。
なにこの子目ぱっちりですよ!
「ど、どこから起きてたの? 」
実際まずい、あいつがこの世界作った神様って知れたらいろいろと····
「えーと、ハデス···ハデスボールって知ってるか辺りですかね? 」
「全部だね 」
アホ神、登場から今まですべて聞かれてるわ····
「いやぁ、起きようと思ったんですけど」
「じゃあ、聞いてたならあの子わかるだろ?」
セリカは人差し指を自分を頬につける仕草を取りながら淡々と
「えーとまずあの子が神様なのは多分間違いなく確定で、この世界作ったのがあの子で、作った割には私達の親玉さえも知らなくて挙句の果てに一緒に冒険しないとカケルさんを殺す契約を勝手に取り付けた、極悪の悪魔みたいな役立つ神様····で合ってますかね? 」
「おう! エクセレント! 満点回答だよ! セリカちゃんんん! 」
さてどうする。 すべてバレた。
もうお決まりの気絶アタックなんてできない····逆に返り討ちに会うわ!
「······」
「何考え込んでるんですか、なんか変ですよ? 」
セリカは騒ぐこともせず、至って冷静に返してくる。
「嫌だって、コ〇ンくんが一話目にして正体バレたんだよ。 台本の手違いでラ〇にとっさに聞かれた時、俺は工〇! って言っちゃった的なやつだよ! 」
「何言ってるんですか? ていうか誰ですかそれ····けどあの子かわいいバカっ子じゃないですか。あれ私友達になれるタイプです 」
アレと友達になったら、ハデスパイセンが怒ると思うんですけど····私の可愛い娘にバカが移るとかいって。
「実際この世界無かったら私もパパも生まれてないわけですし、悪魔みたいと言いましたけど立派な神様です。多分」
その会話を後ろで聞いていた神様は泣きながらセリカに飛びつき
「うわぁん! 生まれて初めて立派とか言われた! ─── 」
おーい悪魔みたいってさっき言われてなかったっけ····
「よし決めた! 今すぐ友達になろう! すぐなろう! 」
強制ですね分かります。
「うんいいけど。───」
いいんだ···セリカちゃん
セリカは続けて
「私、いちようたぶん邪神軍だよ? 」
「え? 」
神様はフリーズした。
「嘘だよね。セリカちゃんが邪神軍だったらこの童貞あ、間違えた····カケルの方がよっぽど邪神軍じゃない」
なんてこと言うんだこのクソ神ぃぃ!
セリカはかぶっているフードを脱ぎ、自分の角を見せる。
「ほら」
「うーん確かに角だな。 まぁいいんじゃない? 」
「は? いや待って、セリカちゃんはお前があれだけ嫌ってた邪神軍だよ? 」
神様は少し考え込み、結論を出す。
「まぁ、友達だし。 かわいいし。 かわいいは正義っ! 許す!─── 」
かわいいは正義! か····ま、意味不明理論だが、一理ある····神がいいって言ってるからいっかめんどくせぇし。
「えーけど私、いちよう邪神軍だし。 この世界ぶっ壊すかもしれないよ? さっきも家壊してたし、これからも壊したいし 」
それ別に言わなくていいんじゃないセリカちゃん! わざとなの? まためんどくさいじゃん!
「そっか。 ····じゃあその時は一緒に壊そっか! 」
普通にうらぎりやがったー! なに当たり前のように人類裏切ったよ。 こいつら何意気投合してんだ?
俺はこの状況に流されず冷静にできるだけ平常心を保ちながら
「あのぉ、そんな事されると神様? 地球は───」
「知らん!! 」
なんでだぁぁ! なんで俺との会話は知らん! しか言えねぇんだこのクソ神!
そんな俺の怒りとストレスにも構わず、続けて
「だいたいこんな少女に、地球破壊されるなら。 地球は既に壊れてるよ。 馬鹿なの? 」
「あいにく、セリカちゃんみたいな魔法、こちとら使えねぇんだよ! わかる? アンダースタンド? 」
神様は、口を開けそうだったとでも言いたげに手をぽんと叩く。
「もういい、こいつは無視だ無視。 あ、そうだ。 セリカちゃん。 悪いけどセラ ───」
俺が何を言うか、分かったのかセリカがくらい顔を見せ先に
「あ、そうでしたね····ところであのカケルさん、覚えてますか? 私が今日使った魔法····」
えっと確か····
俺が考える間もなくセリカが呟く。
「まず村で家壊す時、武器取り出しました。 あとゴミと兵士4人そして女王を記憶操作して、そしてゼウスの時に武器魔法を2回使いました」
「うん」
だいたい何が言いたいのか分かるが、黙って聞いておく。
「武器魔法は5記憶魔法は3消費します、私が一日に使える魔力は35です」
「武器魔法が5いって今日使ったのが3回で15、記憶魔法が3いって使ったのが6回で合わせて····」
「分かった! 31だ! 」
神様が空気を読まず間違った答えを叫ぶ。
「「33だよ! 」」
俺とセリカが同時に反論すると神様は自信満々に答えて恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしている。
そのまま一生黙っといてください。




