第20話「黒歴史」
「い····いい度胸してんじゃない! 今すぐ喋れないようにして上げるから楽しみにしてなさい! 」
「待て、ヘラちゃん! 今いったら相手思うつぼだぞ! 」
余程、セリカのことを気に入ったのか向かってくるヘラをゼウスは全力で止める。
「まずは、そうだ! あの裏切り者の頭蓋骨から調べて、倒したら····」
「おい待てゼウス! 私は裏切ってなどない! ただの成り行きだ! 私を売るな! 」
あ、そういえば、こいつ邪神軍だったわ。 忘れてた····
俺は何も言わず、肩に乗ってるハデスの頭蓋骨を前に差し出す。
「おい待て、何やってんの? 」
「··········たのむ時間稼ぎだ」
「もっといい方法あるだろ! 考えろ····」
ヘラが本をハデスに向け、おもむろにページをめくり出す。
「ふん、ま、いいわ、えーと、なになに、性別男····年齢257····能力魔法を得意とする····あんま面白くないな····」
「········」
特に面白くないと読み進める中、ハデスどんどん黙り込み青ざめていく。
「え、自分の部屋のタンスの上にエロ───」
「ぎゃあああぁぁぁぁ」
よほど聞かれなくないのか、ハデスが大声で叫びヘラの声を遮る。
それに負けじと何度もヘラが言うが、声が枯れるほど叫び遮るハデス。
「ちょ、カケルまじで、やめ──」
俺は面白そうなので手に持っているハデスの口を腕で押さえつけ喋れないよう塞いだ。
俺はヘラに親指を立てる。
───どうぞ。
「こいつ、自分の部屋のタンスに今まで買い込んだ数百ものエロ本があって、家族に見つかるかもっていう、緊張感が快感になってたんだって。 久しぶよこんな面白いの」
「··········」
ヘラが爆笑しながら話す中、ゼウスが笑いながらハデスを見るがセラは「うわぁ」という顔で引いている。
暴露されたハデスは魂が抜けたように、俺の手から落ちていき地面に転がっている。
なんだここ温度差がすごい激しい····この状況作ったの半分俺だけど····
だがセリカは以外にも苦笑いだが、笑っており既に魂がないハデスの頭蓋骨を持ち上げ
「だ、大丈夫です。 趣味は人それぞれですから····心配しないでもママには言いません 」
「せ、セリカぁぁ」
ハデスが泣きながらセリカの名前を叫ぶと、拾った頭蓋骨を再び捨て後ろを向き歩き出し去り際に
「ただ私はもうパパの部屋には近ずきません。 あと私の部屋には二度と入らないでくださいね。」
声のトーンからして本気の声だった。
再びハデスは、置物と化した·····
────────
実際あいつは本当に厄介だ。誰にでも人には言えない黒歴史というものがある。
それをいちいち暴露されたら、全員戦闘不能で俺たちが殺される。
早く手を打たないと····
最悪、セリカちゃんに斧出してもらって戦うまである····だがゼウス──変態野郎は大丈夫だが、ヘラ····あいつ見るからに魔法使うじゃん····絶対強いよ····
「ねぇ、あんたも見てもらいなさいよ。 あんたの秘密とか面白そうだし」
このアマ、何もわかってねぇ──
やばい、全滅コースだ····
「おい、ハデス····なんとか──」
「···········」
──返事がないただの置物のようだ
この野郎!
俺の黒歴史とか自殺するレベルにやばいものだ。何のためにあんな苦労してたのか───
そんな俺にも気にもせず、問答無用で本を向けてくる中、俺は逃げるのを諦めセラを横目に
「なぁ、セラ····」
「なに? 」
「どっかに縄ない? 」
「自殺するほどってどんな黒歴史持ってるのよ!? 」
「いや、もう人生オワタ的な」
自分の顔は分からないがおそらく正気がない顔で答えた。
「え、嘘でしょ·····こんなの」
ヘラが本を落とし、俺をひどく怯えた目で見てくる。
「あなた····エンドマスター」
「だぁぁぁぁぁぁ」




