第18話「全知全能の神はSに目覚めたようです」
「ん? あいつさっきまであんなポーズしてたっけ? 」
さっきまで仰向けに倒れていたゼウスが、今は俯せになり明らかに扉の方に手を伸ばし倒れている。
あいつひょっとして、逃げようとしてない···
「やっぱり私がみじん切りにしたら、分かりますよ! 」
セリカがこんどはさっきより小さな鎌を魔法で取り出し、得意げに振り回している。
「それ仮に生きてても、死んじゃってるよね! 」
····どんだけ鎌出すんだよ。
「じゃあカケルもう1回さっきの君に決めた、しないといけないじゃない? 」
「は? いや待て、それ何? もう1回わし投げられるの? わしボールじゃないんだが? あれ結構痛─── 」
「おぉ! いい判断です!セラ! 」
セリカが目をキラキラと輝かせながら言った。
「ちょ、セリカ? 今日、パパにあたり強くない? いつからそんなにノリのいい子になったの? 」
「そういうことなら仕方ないな──」
「仕方なくないよ! 充分まだ考え直せるぞ! あれ結構痛いんだぞ! 」
こいつに神経なんて通っているのか···
「大丈夫です! 後で昔パパがやってくれたみたいに「痛いの痛いの上司の元に飛んでいけー」ってやってあげますから! 」
セリカが笑顔でハデスに呼びかける。
····上司の元って····こいつ、子供に何言ってんだよ。
セリカが言うと、気絶してるフリであろうゼウス(ハデスの上司)がピクリと動いた。
····きずいているの俺だけだし、おもしろそうだからもう少しほおっておこう。
「·············」
セラが倒れたゼウスの方をじっと見ている。
「あの····セラさん」
もう大体何考えているか分かるが、セラがウインクで返してきた。
こんなヒロインがいていいのか───
·······ゼウスさん、ご愁傷様です。
その直後、ハデスの頭蓋骨の鷲掴み。
「仕方ないから私が代わりにやってあげるわ」
「だから何で仕方なしに投げられなければ行けないのだ! 」
「··············」
「だからなぜ無視! ってあぁぁぁ」
再び、ゼウスに向かってハデスが放たれた····
ハデスの断末魔の叫びとともに····
「うぅーんやっぱり動かないですね。 死んでるんじゃないですか? 」
ハデスの頭蓋骨はゼウスの頭に直撃したが、ゼウスはピクリとも動かない。
「うぅーんどうでしょ? もうちょっと試して確認してみましょう」
何も知らない無邪気なセリカの質問にセラは腕を組み、とぼけた顔で答える。
てめぇは確信犯だろ!───
「じゃあ、セリカ。 その手に持ってる鎌で頭切り落としてきてよ」
セラの発言で倒れているゼウスの周りにひいてある絨毯にちょっとした冷や汗の池ができている。
「任せてください! 」
ハデスは2度目の衝撃で、泡を吹いて気絶している。
つまりセリカを止める者はいない。
セリカがゼウスに近づき、手に持つ鎌を振り上げた瞬間
「待ってすいません! 振り下ろさないで! ごめんなさい」
横でセラが独り言。
「チッ、ヘタレめ···· 」
死にかけたら誰でも命乞いするだろう·····
「·············」
セリカは返事をせず無言で斧を持ち上げている。
「なにか喋ってください! 怖いっす! 」
「·············」
「セリカさ────」
無視し続けていた、セリカがゼウスをゴミを見る目で見下ろし低いトーンで
「ねぇ、あなたってほんとに邪神なの? 邪神のくせに私がちょっと斧振り上げただけでビビっちゃってるの? それでも男の邪神なの? ほんとにち〇こ付いてるの? だっさ──」
「···········」
「ねぇなんで黙ってるの? 自分のゴミさにきずいちゃったの? そうだよね。雷なきゃあんたなんて正直ただの役に立たない年寄りだもんね、あとさなんであんたの周り濡れてるの? よく見ると汗でビショビショじゃない。 なんで? どうして? もしかして私が怖かったの? ビビっちゃたの? おしっこ漏らしったの? 私がよしよしして上げましょうか? 正直あんたさ汗臭いんだけど。あとさ───」
「待ってそれ以上は····」
ゼウスはセリカに罵られ続けもう顔上げすらできてない····
「ゼウスのライフはもうゼロよ! セリカ」
俺が止めるとセリカがクルンと俺の方を向き顔色を変えて
「いやぁどうでした? 私上手でしたか? 」
「ん? 」
「死んだ目で罵り続けたら人って無力になったり、ある時は興奮したりするんでしょ? 確か、そういうのmって言いましたっけ? パパの部屋にあった本で読んだことあります。 」
あいつなんて本持ってんだよ!
「だからいちよう無力にしようとしたんですが····」
ゼウスがハァハァと声を立てている。
「興奮したようですね····」
「ゼウスさぁぁぁん!」
待てほんとあいつ、邪神だけどさ神じゃん? 全知全能じゃん? どうなのいいのそれで。 少女に罵られて興奮ってすごい性癖だよ!
「わ、私をここまでするとは····大した奴だなハデスの娘····いやセリカ様」
おいあいつとうとう様つけたよ···もうあいつ帰ってこれないよ!
自分でしてしまった事だが、ゼウスの反応にセリカが怯えた顔で震えている。
俺の選択肢は一つしかない。
とりあえず、セリカちゃんを全力で守ろう!
ゼウスが起き上がり
「セリカ様、私とデートしませんか? 」
「あいつあんたよりひどいロリコンよ、あれ····」
俺はとりあえずセリカを自分の後ろに隠れさせ
「俺ロリコンじゃねぇし、全然少女なんて好きじゃねぇし」
「言ってることとやってることが一致してないんのだけれど····」
前に手を差し出し、誘うようにゼウスが
「さぁセリカ様、私と一緒に····」
「私と一緒になに? 」
「あ····」




