第17話「この世界のゼウスが性欲魔人だった件について」
「さて····閉めるか」
「まて早く防御魔法使え! いちよう俺の上司だぞ! 魔法強いぞ! 」
こいつは何を言っているのだろう? 俺が魔法? 使えるわなくないでしょ馬鹿野郎····
「わしを正体を見破ったことは褒めてろう」
「いや、勝手に痴漢してただけだよね····」
「いや多分、性欲が大きすぎて··王への変身を保てなかっただけだと思うぞ····」
··············
「そ····そんなことはない····ってお前ハデ····あ····やべ」
ゼウスはハデスに動揺したためか時間切れだったのかでこちらに向けていた杖の先の光が爆発し勝手に自爆した。
「·····馬鹿だな、アホ神だな」
「性欲魔人の間違いだろ····いやゼウスだから性欲神? 」
「お! 上手いな、ハデス。 な、セリ··カちゃ··」
セラとセリカつまり女性陣は文字通りゼウスをゴミを見る目で見ていた。
「私、あんなのに今まで命令とかされてたんですか····よく考えたら不意打ちとはいえさっきパパと一度ダウンさせましたよね。 頑張れば殺せますね」
····頑張らなくてもいけるんじゃないですかね。
「男ってなんでみんなこうなの? 」
男はみんな生まれた時からだいたい性知識あんの! 仕方ないの! だから普段馬鹿でも中学の保健のテストだけみんな高得点なの! アンダースタンド?
「このわし····ここまでするとは····調子に乗るのもここまでだ! 人間ども····」
····それって敵の体力がさ、もう残りわずかでドラゴンとかに変身する時の言葉だよね····お前の場合ただ頭の毛が爆発して黒にアフロみたいになっただけだよね····
再びゼウスは俺たちに杖を向け
「行くぞ虫けら、ま··じかる······サンダーー! 」
「···············」
「いやダサいダサいダサいダサい」
とてもジジイが言ってはいけない台詞を吐いた。
なにあれウケ狙い?
「言ってる場合か! ふさげた技名でも強さは変わらん! 逃げるぞ」
「でも途中で止まったくね···あれ」
「は?」
ゼウスの放った光は俺達の場所まで届かず、途中で消滅した。
「あ、ごめん····呪文ミスった····」
「だよね、あれじゃないよね。 ビックリ」
「おい! 今のうちに早く逃げるぞまじでやば····」
「ねぇ、ほんとにあんたゼウスなの? どうもスライムより弱い気しかしないんですけど? 」
セラが言った一言にあわあわと慌てているハデスだが俺も気になったところだ。
····ゼウスってあんなに弱いの? 全知全能の神だよ?
「うるさいな····だったら先に貴様からやってやる」
ゼウスは、セラに杖を向けたあと地面に杖を突き刺した。
「生きとし生ける全ての女よ我に今力を貸し我が敵に落雷を降らせよ····いくぞ! どっきり····· 」
「···············」
最後まで聞いていないが技名の時点で俺達は逃げるのをやめ、真顔でゼウスを見ている。
「ボルトぉぉ! 」
ゼウスが技名を唱えるとセラの頭上に雷雲が現れ、雷が直撃した。
「おい、大丈夫か? 」
セラはこくんと頷き呆然とし
「え? なによこれ、この前父からドッキリで受けたビリビリペンより弱いわよこれ·····」
·······
すると、ハデスが俺の方の上で何かに気がついたのか口を開け、
「おい、セラよ。この国の天候が荒れ、雷雲があったのは今からどのくらい前だ? 」
「私、そんなに部屋から出ないからよく分からないけど····最近は全くじゃない? 雨は結構降るけど····ってあ。」
「そう、雷雲が無かったってことはつまり今のゼウスは······上司よさらば····」
「今だ取っ捕まえろ! ただのジジイだ! 」
俺がゼウスを指差し大声をあげると、さっきの自信満々のゼウスから一変し、か弱い小動物のような声で
「················ごめん今までの····ジョークじゃ····許して··じゃ? 」
「ごめん、無理じゃ」
「酷い、酷い! こんな小動物みたいなワシを虐めるとかあんまりだぁぁぁ」
「てめぇは、全知全能の神じゃねぇかぁぁ··」
ゼウスが泣きわめきながら土下座している中、横にいるセラに俺が呼びかける。
「ん?」
「さっきの魔法使える?」
セラは笑顔で敬礼し、
「了解! チェーンアンデッド! 」
魔法を唱えるとゼウスがいる地面から鎖が出現し、ゼウスに巻き骨が砕ける鈍い音が響いた····
「痛い痛い痛い、お前悪魔か! わしを殺す気か! 」
「ごめん、力加減間違えたわ···てへぺろ」
「あわ···あわわ」
嫌なことを思い出したのか、俺の肩の上で歯をガタガタと震わせてるハデス
「ふ、愚かな····このわし····ゼウスがこんなおもちゃごときで···って痛たたた」
····辞めておけ無理するな
「キョ、キョェーーーー」
ゼウスは不気味な声で発狂し、鎖を解き放ち粉々にした。
「おーーすげー」
後ろで俺とセリカとセラはパチパチと拍手をする。
「と、当然だろ··ハァハァ····いくら雷の魔力がないくてもこれくらいはな····わしゼウスだし····さぁ! かかってくるがよい愚民ども··」
やっと敵っぽいかっこいいことをいうと左右が白と黒の2枚の羽を羽ばたかせ、天井付近まで飛び上がった。
「ちょっと、ずるいわよ! 」
「お前ら下等生物は飛べないだろ! 悔しかったらここまで来い! バーカバーカ」
····なんでだろう、とてもゼウスが小物に見える。
「ふぁ? ちょ、カイト? まて、なにを? 」
俺はハデスをつかみ、投げるフォームをとり、
「ハデス! 君に決めた!」
空中にいるゼウスに向かって思いっきり投げつけ撃ち落とした。
················
ゼウスの頭にクリーンヒットした直後ハデスの頭蓋骨にセラが
「ハデス! そのまま噛みちぎる攻撃よ! 」
················
返事はないが、続けてセリカが
「パパ! 噛め! ····パ──」
ゼウスが気絶している中、一緒に仲良く落下したハデスの頭蓋骨がダルマのように起き上がり
「いや、待って待って··誰か止めよ··ね! なんでみんなそんなにノリいいのだ? 何でそんなに早く状況把握してる? 私まだ目が点なのだが? 」
「いやぁ、なんかいけるかなって···ほらお前硬いじゃん。」
「あ、なら安心だ! な、訳あるか馬鹿野郎。 大体なお前─── 」
「あー、はいはいワロスワロス、もうさっき意味不な説教食らったからもう飽きたって」
俺がため息をつきながら、ウザそうに言うとあとの2人も首を縦にふっている。
「·········」
ハデスは呆気に取られたような顔をしている。
「それより、あいつさっきの衝撃で気絶してるみたいですよ」
セリカが指を指した先に、目をぐるぐる回し倒れているゼウスの姿がある。
「ま····まさかハデスボールで一撃とは····まだ中身出てねぇぞ···」
「·····何言ってるんだ? カケル····」
「おい、セラもう1回あの技使ってあいつを拘束してくれ」
「あ、私もうあと3しかmpないわ····1足りない」
あーRPGゲームであるあるな奴ね····
「じゃあ、セリカはなにか使える? 」
「はい任せてください! 」
セリカは自分の倍の大きさぐらいある大きな鎌を魔法で取り出した。
「あ····えーとセリカさん」
「任せてください! あんなのすぐにお手頃サイズに切りますか····ておっととと」
「おい止めろセリカ。止めさせろカケル! セリカも私の立場ももろもろ不味いことになる」
····さっき上司のことを変態不倫扱いしてたやつが今更何を?
ハデスが心配している中、構わずセリカは重い鎌を持ち自分との大きさが比例してないのかフラフラとしている。
「セリカ。子供がそんな物騒なもの持って使うのはダメだよ」
「えぇぇ、嫌だやだゼウス切りたいもん! 私カケルより生きてるもん! 子供じゃないもん」
確かにこの子俺より年上だ。
「けど、怪我したら危ないでしょ先輩」
「よし、絶対鎌振り回させるなカケルよ」
「代わりに俺がやってやるよ───」
俺の言葉に呆気に取られたのか口をぽかんと開けるハデス。
「は?····いや違う違う違う違う、取り上げるだけでいいんだ! 何もジャッジメントまでする必要は無い! 逆に私がジャッジメントされる! 」




