第10話「ラティーンの王はキュ〇べぇより害悪だった」
その話を聞き、半信半疑で受け取ろうと王様に近づくと明らかにさっきまでの空気とは違った。
さっきまで気持ち悪くにやけていたセラは冷や汗をかき時間が止まっているかのように微動出しせず、これまで黙って見ていたハデスはつけているお面がプルプルと震え、明らかに動揺している。
なんだこいつら、俺が最強になるのがそんなに嫌なのか?
俺は構わず王様の前に行く。
「 さぁカケル、そなたはどんな想いでこの実を食べるのじゃ?」
「俺の想いは全ての邪神を消し去ることだ! この異世界から一匹残らずこの手で!」
······このセリフ1回は言ってみたかった。
と宣言し実を受け取った瞬間。
「だめぇぇぇ!」
セリカが俺が手に取った実を奪い取り踏み潰した。
「何やってんのぉぉ」
俺はセリカの肩に手を乗せながら叫んだ。
セリカが俺の手を振りほどき、ウルウルと涙目で
「あなたわかってるの、その実がどうゆうものなのか?」
「チートアイテムだろ?」
今まで時が止まっていたかのようにおもむろに動き出したセラが俺の方を向いて。
「あんたってほんとバカ」
何言われてるかわからないままハデスが続けて
「それは、この世界にある中でももっとも貴重で危険な実、勇者の実、別名終焉の実だ」
「そりゃそうだ!邪神軍たちにとっちゃ終焉だ!」
ハデスは、はぁと溜息を零しながら
「確かにそれは優秀だ、食べるだけで最強になれる、だがな現実にそんな都合のいい話などないのだ。 その実は食えば二日間は最強なれるがその代償として三日目に死に至る」
·····え、まじで
「だってまじで、そんなのあいつ·····一言も」
俺は振り返り王様を見ると無表情な顔で一言
「聞かれなかったから」
「え、そんな······教えてくれないなんてひ、ひどいよそんなのあんまりだよ····って言ってる場合じゃねぇおいこらテメェふざけんなよこの腐れサイコパスジジイィィ」
この王をまずい、俺のこと呼吸するかのように殺そうとしてくる。
あの王と似てる白いやつを俺は知ってるがあいつには感情がなかった分まだマシだがこのサイコパスには感情がある。
····こいつの方が余程最悪だ。
俺は踏み潰された果実を手に王様の顔めがけてなげつけた。
グチャ
「わ··わしに恐れずこんな汚ねぇ果実を投げてくるとは、死刑されるの承知の上か? それとも、ま··まさかそなたは本当に神になるつもりなのか?」
黙って下さいお願いします。
っていつまでその言い方ひっぱんだよ。
そんな吠えてるサイコパスにハデスが手を向け
「やかましい、サンダーデスブレイク」
そう呪文を唱えるとハデスの手から出た雷が王と俺たちに槍を向けていた数人の兵士に直撃させた。
「すこしは頭を冷やせ。 まったく邪神も恐れる実をなんの躊躇もなく使おうとするとは、恥をしれ」
······ハデスさんまじかっけぇぇ、もうこいつの方が正義じゃん。
「む····無念····」
いやお前そこは、「わけがわからないよ」だろ。
「ちょっと、あんたあのクソジジイに攻撃するとかあんた何考えてるの?まためんどくさいじゃないのよぉ」
セラがハデスをぽこぽこ叩きながら喚いている。
「て、あれ お前いま王のことなんて呼んだ?」
「え? クソゴミジジイだけど?」
「変わったよ、ゴミが追加されたよ!」
「は、そんなの表だけに決まってるでしょ、なんであんなものに様つけなきゃいけないのよ」
この親にしてこの子ありってやつか····さすがだ。
そんな会話の中、セリカが王に近づいていき
「ブレイクメモリー!」
王の頭に手を乗せ、呪文を唱えると王の体が電気ショックを受けた時のようにビクン震えた。
「記憶操作の魔法ぐらい私でも使えます、このゴミクズと私たちがあった時の記憶を忘れさせました」
····頼もしい、俺何も使えないんすけど。
そういうと王の顔を蹴り、倒れている兵士一人一人に魔法をかけて行った。
「ありがとうセリカ助かった」
「いえ、先ほど助けられたお礼です」
ニコッと笑顔をこぼし、言ってくる。
守りたい、この笑顔とはこういうこのなのだろう。




