第9話「やっと俺の冒険が始まる····わけもなかった」
兵士の問いに俺たち四人困惑し、思考が一瞬フリーズした。
「いやいやいや」
はじめに答えた出したのはハデスだった。
「え、違うんですか?」
「違うもないもどうしてそんなことを?」
ハデスは困惑しながらも兵士に問う。
「いやだって、そのローブあのアンデッドが身につけていたものですよね」
「いや、多分そうだと思いますが」
「かっこいいから 倒したあと剥ぎ取ったんでしょ」
「えぇぇそういう考えぇぇ、え、いや何でもない。 そうだ、これはあのアンデッドっといや、か····邪神軍から剥ぎ取ったものだ」
お面で顔が隠れているが、明らかに動揺している様子だ。
ハデスが再び俺に耳打ちしてくる。
「おい、何なんだこの種族は? 何で敵のローブなんかを奪ったという発想になるのだ?声は少し高めに話しているが仮にもさっきまでお互い殺しあっていたのになぜ気がつかないのだ? どれだけアホなのだ?」
お前も大して変わらないぞと念じながらハデスにポンポンと軽く腕に肘打ちをした。
「やっぱりそうでしたか、けどどうしてあなた鎖で縛られているのです?それとその奇妙なお面は?」
ハデスはそこに気付くんだ意外みたいな顔をしている。
こいつ、いくらなんでも舐めすぎだろ。
「え、えっとこれはですね」
「こういう、プレイです」
俺がハデスの代わりに即答する。
「おい、き····貴様」
少し黙っていろという顔でハデスを睨んだ。
俺の読みが正しければ····
「そういったご趣味を····世の中にはいろんな人がいますもんね」
ほら通じた。
どうだ、通じたじゃねーかと自慢げにハデスの方を見るとブルブルと小刻みに震えている。
「どうした、俺の圧倒的な言葉巧みの技に感動し何も言えないのか? 礼なんかいいって。 お前と俺の仲だろ。 あって20分経ったぐらいだけど」
「貴様、貴様というやつは! 何勝手なことしてくれてんだ」
ハデスは、お面から涙を垂れ落としながら怒鳴ってくる。
「は、俺はお前を助けようと····」
ハデスが首を横に向けセリアの方見る。
セリアが明らかに何か悪いものを見たような顔で引いている。
「パ、パパにそんな趣味が······」
「ご、誤解だ、セリカ信じてくれぇぇぇ」
ハデスは泣きわめきながら娘に言い訳をしている、とても1人の父親の姿とは思えない。
まったく誰のせいなのか?
「あ。あんたそんな趣味してたの、気持ち悪いからその魔法解除してあげるわ······」
特にからかうわけでもなく冷めた声で
セラがハデスに言い放った。
ハデスは俺の一つの発言でアンデッドとして父親として面目丸つぶれとなり、地面に倒れこんだ。
こいつおそらく、どれだけ太陽浴びてももうだめだろう。
「あなたもですかぁぁわかりますわかりますよ、その気持ち!!」
突如、群衆の中から1人の兵士が飛び出しハデスに駆け寄った。
「自分がMでもいいじゃないですか、隠していてもいずれ見つかるのです、だったら自分のように初めからオープンで行きましょうぉぉ」
まるで宗教に誘うかのようにmについて語っているそいつは俺がここにきて初めて出会ったあのm兵士だ。
もうほっといていいかな?
「そういえば姫様、先ほど王様がお呼びになっていましたぞ」
それを聞くとセラがニヤリと笑みを浮かべ
「え、ゴミ·····お父様が? 」
今ゴミって言わなかったか?
「ほら、あんたたちも来なさい」
「俺たちもいるのか?」
「大事な話が、あるんだから来なさいよ、これで私も······」
またこいつ余計なことを考えてるな。
「おいどうするハデス? て、お前?」
後ろを振り返るとハデスが倒れていた場所にさっきのM兵士がタンコブをつけ倒れている。
「大丈夫だ····黙らすためにヘッドバッドいやスカルヘッドデスバッドを食らわせただけだ」
「何それ怖い····」
デスってもう死んじゃてるじゃん····
さすがアンデッド····
「おい、セリカ行くぞ」
ハデスがセリカに近づこうとすると
「ち、近づかないで!」
「セリカァァァ」
もう好きにしろ
俺たちはセラの後について行くことになり、城に入っていく。
さきほどは瞬間移動で村に一瞬で行き気がつかなかったが、立派な内装である。
中に入ると、まず数多くのメイドさんたちが頭を下げ出迎えてくれた。
よく見るとみんなかわいく顔立ちがいい。
俺の行ってた高校にいた顔レベルの高い女子でもここにいるメイドさんたちは明らかにレベルが違う。
あんなのでクラス男子は「わー、きゃー」言ってたのか······
そんな彼女たちに目もくれずまるで当たり前のようにセラは進んでいく
こんな生活が当たり前とか本当に羨ましい限りだ····
少し小走りでついていくと奥には左右に大きな階段がある。
上がっていくと二階にはだだっ広い部屋にファンタジーでよく見る、段差があり少し高い位置に椅子が置いてあり王様が座っており、それを取り囲むように数人の兵士がいる。
あーそれっぽいわー
「おぉほぉぉよく帰ってきたな無事じゃったか」
それはセラに少し面影があり白いもじゃもじゃの髭を生やし高貴な服を嗜んでいる。
間違いないこの国の王様だ。
「えぇ無事でしたわお父様」
「そうかそうか、お手柄じゃったな。 セラよ」
王様は俺たち変人に気づかず、まるで大冒険から帰ってきたかのようにセラと会話している
こいつ別に役立ってなくね。
そう言ってきた王様にセラが反論した
「いいえ、違いますわお父様あの村を救ったのはあそこにいる、そう彼なのです!」
そういうと、すべての手柄を俺に渡してくる。
え······
どうしたこいつ、悪いものでも食べたか?
あいつの性格上手柄は全部独り占めするやつかと思ったが······
「····そうです王よ、この私····が、あのアンデッドをなんとか倒し、あの村を救ったんですよ」
あいては王だここで手柄を立てとけば、褒美はすべて独占できる。
俺はさぞ自分が頑張ったかのよう答えた。
「驚かないでくださいよお父様、彼はあの伝説のカメラでこの異世界を救うため地球からはるばる来てくれたんですよ」
セラは王様に俺がどれだけすごいか演説してくる。
これは、普通嬉しいと思っていいが今の俺は不安しか感じない。
なぜなら、セラの顔が俺が地球から来たと紹介した時と同じ胡散臭い顔をしているからだ。
······必ず裏がある
「ほぉぉそ、それは本当なのか本当にあの伝説になっていた地球から来てくれたのたというのかい」
驚きを隠せないような表情をしている王様に
「その通りですお父様、彼が来てたからにはもうこの世界も安心ですわ」
·····え
俺たち三人が置き去りになりながら勝手に2人の話が盛り上がりヒートアップしていく。
「ということで最強の彼が来てくれたことによって邪神軍が消滅するのも時間の問題でしょう、ですから····お父様に頼まれていた邪神軍滅ぼすための冒険に出なくても、良くなりましたわよね?」
王様がこくんと頷いた。
「え····いや待て待て待て」
さっきまでの嫌な予感が当たってしまった。
つまり、このアマは最初から俺を冒険に行かせ自分は城でのんびりくらすつもりだった。
「俺なんかが、邪神軍なんか倒せるわけないじゃないですか」
王様は驚きながら。
「え、さっき自分が邪神軍倒したって言ってなかったかな」
········あ
動揺している俺を横目にセラがクスクスと手でこらえながら笑っている。
このアマ!やっぱり確信犯だったか!
「それほど自信がないのだったらわしが、そなたに力を授けてやろうか?」
そういうと王はおもむろに黄金に輝いた実を取り出し俺に差し出してきた。
「これは勇者の実というものじゃ、食べればこの実はそなたの力を何倍にもしてくれるという世界で数個しかない伝説の実じゃ」
······何そのチート能力の実? 伝説の果実ですか?
てかそんなんあるんだったら俺いらないだろ。
王様が続けて
「さぁ、この実を食べて、最強の勇者なるのじゃ」




