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目に光を灯す10

コンビニと言っても夜の9時に閉まるようなローカルなコンビニの猫の額ほどの駐車場に車を停めた途端、後ろでドンと音がした。


エンジンを切ってシートベルトを外しているところだったヒカリとともに後ろを振り返ったのは同時だった。すぐに顔を見合わせて、すでにシートベルトを外し終えていた僕から車の外に降りて外を確認する。


さっきまで走っていた道路に新しい猫の死骸が横たわっていた。僕らのすぐ後ろを走っていたトラックがひき殺したらしい。

猫ごときでトラックそのものはビクともしない。止まりもせずに走り去っていた。道路の先に土ボコリと排気ガスを撒き散らしながら走るトラックが見えた。


後からきたヒカリがなんともいない顔をしていた。こいつは優しいから見たくない光景だったろう。


でも、どうしようもない。

「ハヤトはなんて?急がないといけないんじゃなかったっけ?」

猫の死骸から目を離さずにヒカリが言った。


その時僕はなんとなくヒカリに言わないほうがいいような気がして、「買い物をしてこいと言われた。買ってくるから待ってて。」とだけ言って、ヒカリをおいて店に入った。


見ていたかのようにハヤトの声がコミュニケーターから聞こえた。

「猫はどうしようもないぞ。あのまま走ればお前らがひいていたし、例えばお前らがゆっくり走って止まっていれば、トラックに突っ込まれていた。あれは居眠り運転だからな。」


いつも不思議に思う。ハヤトは未来が見えるのだろうか、と。

つかみどころのない人物だが、最近僕にはハヤトの考えがある程度わかるようになった。

おそらく、このコンビニに立ち寄った理由はこれで済んだわけだ。


「用事は済んだってことだよな。急がないと間に合わないから、もう出るよ。」


ハヤトも僕が理解したことをわかったのだろう。


「急げよ。」とだけ言って通信は切れた。


外に出るとヒカリがいない。ヒカリ?と周囲を見渡せば隣に広がる畑の隅の方からヒカリが出てきた。見れば手が土にまみれていた。


「ハヤトの用は済んだから、急ごう。手を洗ってこいよ」

僕がそういうとヒカリは頷いて店に水場を借りに行った。


ヒカリの出てきた方を眺めれば、土が新たに盛られたようになっていた。猫の死骸を埋めたのだろうということは、すぐにわかった。

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