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ラスボス直前でセンター争いが勃発しました  作者: 水鳥 いつき


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8章 アイラの孤独な戦い

戦士のアイラです。

実は大変なことが起こってます。私たちが魔王を倒さずに帰ってしまったので、モンスターや魔族が復活してしまったのです。城下町の外には危険な化け物がたくさん、最悪街の中に入って来てしまうかも。

今日も街の外で私は戦ってます、他のメンバーが選挙で忙しいので一人で戦うしかない。


ある時は100体の凄く強いバーサーカーと一人で戦った、ブレアちゃんがいれば魔法で一度に全滅させられるのに……せめてパークちゃんがいれば遠くから数を減らせたんだけど。

何とか全部倒したけど、HPがあとちょっとしかない、ラフロちゃんに回復してもらいたかったな、宝箱落としていったけどリンドーちゃんがいないから開けられないよ〜。

そんな時に中ボスが現れてもうボロボロになってしまった。何とか街に戻って宿まで辿り着いたけど、本当に死ぬところだった。でも一晩寝たらまた戦いに行かなきゃ。


一人で孤独な戦いをしている私を街の人々は陰ながら応援してくれてるみたい、嬉しいな。


次の日も街を出てモンスター退治に行く。宝箱が開けられないのでお金がないから薬草は買えなかった、でも頑張ろう!


順調にモンスターを退治していると、やっぱり来た強敵が!「ゴーレム30体か……きついなHPが半分しかない」つい独り言を呟いてしまう。さらに、現れたのが、魔軍曹ビリーブート。


(えっ、待って、以前倒したはずなのに……)


魔軍曹ビリーブートと30体のゴーレムによるスクワットアタックが私を襲った。「きゃー!」持っていた盾が吹っ飛び、容赦ない連続攻撃が私を襲う。意識が遠くなり、視界が光に包まれる。


(もう……ダメ……無理)


その時、ドーンと炸裂音が聞こえた気がした。

誰か来たのかな……そう思った時には私は気を失ってしまった。


「もしもし」誰かが私の身体を優しく揺らす。私はゆっくり目を開けた。

目の前には、男の子が心配そうに私を抱き抱えていた。


「大丈夫?」


「えっ? イ、イケメン…!?」


黒い法衣を着た男の子が笑顔で「よかった」と笑った。


「目を閉じて、回復魔法かけるから」


「ヒール!」の呪文を唱えると優しいピンク色の光が私を包む。


(あんっ……ちょっと待って、気持ちいい……胸がドキドキする……いやん……こんなの……初めて……)


ラフロちゃんのとはまた違った回復魔法が私のHPを回復して行く。イケメンの魔法ってこんなに気持ちいいとは思わなかった。


「どう?回復した?」イケメン僧侶が首を傾げる。


「もう一回……お願いします……」

私は全快しているにも関わらず、ついもう一度魔法をかけて貰ってしまった。


(あんっ、いやん……気持ち良すぎ……癖になっちゃう……どうしよう……もっと……)


「ハァ、ハァ……あともう一回だけ……お願い……」


イケメン僧侶は「おかしいな……効きが悪いのかな」と言って最高級の全回復魔法をかけてくれた。ピンク色の光の中に色とりどりのお星様が輝き、その強烈な光が息を荒くした私を猛烈に包み込む。


(凄いっ! あんっ、そんなに……おぉ……YES!……もうダメ……そうそこよ……もっと……最高!……)


イケメン僧侶は全力魔法で汗びっしょりになった。

それでも爽やかさは変わらず、むしろ汗が素敵だった。


さらにもう一回と言うのを必死に堪えて荒い息のまま私は立ち上がった。

見ると、イケメンの後ろにもう三人のイケメンがいた。


(みんな……イケメン……)


たまたま通りがかったこの四人のイケメンパーティーが私を助けてくれたのだ。


「危なかったね、でも一人で魔軍曹と戦うなんて凄いね」私がお礼を言うと、イケメンズは私を気遣って街まで送ってくれた。せっかくなので酒場でお話をすることにした。


私が魔王を倒す直前まで行ったパーティーの前衛だと聞いてイケメンズは驚いていた、噂で聞いたことがあったらしい。

彼等は、魔法使い、僧侶、商人、そして吟遊詩人のパーティーだ。実は勇者がいたのだが、ある戦いの最中に勇者がビビって逃げ出してしまったんだそうだ。


「出会ったばかりでこんなこというのも何なんだけど……」

「僕たちのパーティーに入らない?」

魔法使いが笑顔で私に問いかけた。白い歯が眩い輝きを放つ。パーティーのセンターがいなくて困っていたそうだ。他のメンバーも「アイラちゃんが入ってくれたら力強いんだけどな」と眩しい笑顔で私を見つめる。


「えっ……どうしよう……」


イケメンの圧倒的な輝きが私のパーティーの思い出を打ち消してゆく。毎日、間近でこのイケメンを観れるのだ。まてよ、おんぶしてもらったり、怖い夢みたら添い寝してくれたり、ご飯を食べさせてくれたり、一緒にお風呂入ったり……いやんエッチ……


「いやん……恥ずかしい……」


「えっ?」イケメンズが驚く。

慌てて正気に戻った私は「考えさせて」と言うのがやっとだった。

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