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ラスボス直前でセンター争いが勃発しました  作者: 水鳥 いつき


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18章 最後の戦い

30万を超す魔族と悪魔とモンスターの大群が街に向かって襲いかかってくる。街の人々も異変に気づき街の外を眺めると絶望的な景色に声を失う。逃げ出すことも出来ずただ恐怖に震えていた。 


「アイラちゃん! ヒールをするよ!」イケメン勇者が気を失っているアイラに「ヒール」を唱えようとするとまた大神官デービスから放たれた雷が勇者を吹っ飛ばす。大軍団の海が少しずつ近づいてくる。


(もうダメだ……)


「アイラちゃん、また一人で頑張ったんだね」


イケメン勇者が振り返るとそこには、ブレア、パーク、ラフロが立っていた。ブレアは疲れ果てたアイラちゃんを一目見て尊敬の笑顔を作ると魔法の杖と召喚し高くかかげた。


「ずいぶん調子に乗ってるみたいだけど、ちょっと数が少ないんじゃないの」


ブレアの詠唱が始まるとブレアの体が白く光だし空気が激しく振動する。白い雲がどこからか集まり空を埋め尽くす、そして雲の切れ間からまばゆい光と共に輝く7つの隕石が振ってきた。雷神トールしか使えないはずの神魔法をブレアが唱える。7つの「神の鉄槌」が魔蜘蛛の大群に襲いかかる。核爆発のような強烈な炸裂音が響きわたり数千の蜘蛛がそれぞれ7つの業火に焼かれる。


「凄いねブレアちゃん! また神様にSHITされちゃうよ! でも、雑魚狩りは私のほうが得意なんだよね!」パークが再び空を舞う。


空中でパークが弓を構え10本の矢をつがえた。パークの指先が光を放つと、矢の先に光がうつる。そして放たれた10本の矢が分裂し100本になりそれら光の矢は数百のモンスターを種族を構わず貫く「ゴッドゴーガン」と呼ばれるアーチャーの究極奥義だ、20万ものモンスターがみるみるうちに減ってゆく。


「アイラちゃん、大丈夫! 今回復するからね」ラフロがアイラに駆けつける。ラフロが両手を上げると目を覚ましたアイラは震える手でラフロを制する。


「ラフロちゃん……回復はそこのイケメン勇者くんがしてくれるから……ラフロちゃんは魔族を倒して……」


「わ、わかったわ! 私のMPは戦いに向けるね!」


「えっ!? そこのイケメン勇者くんも回復魔法使えるの!?」ブレアとパークが振り向き、ゴクリと喉をならす。


(商人くんが使えるのは内緒にしとこう……後でいっぱいやってもらうんだ……)


パークが小さく呟く。


ブレアとパークが振り向いたその隙をついて、マー魔少佐が普段の3倍のスピードでアイラに襲いかかってきた、魔族は弱いものを狙う習性があるのだ。


ラフロがセクシーな構えをしてからマー魔少佐を受け止める。


「ラフロちゃん、それは?」パークがラフロに問いかける。


「少森寺の37房で修行したんだ。一日で習得したんで奇跡とか言われちゃった」


ラフロの習得した『なんと性拳』とはセクシーなポーズやチラリズムで油断させているうちに秘孔を破壊する、5000年の僧侶の煩悩の結晶から生み出された究極拳法だ。


「ドム! ドム! ギャン! グフ! グフ!」 


ラフロのパンチやキックがマー魔少佐を容赦なく襲う。


「そんなパンチなど効かぬは!」マー魔少佐が叫ぶ。


「あなたはすでに、おしおきよ!」


「あ、ばぁー、わーくぅー!!」マー魔少佐がそう叫ぶと爆発した。


「YES!」ラフロは小さくガッツポーズをすると黄金に輝く金棒を召喚し、ラフロが金棒を強くギュッと握ると金棒は硬度を増し大きくなった。そして、魔ロボットザクザクの大群のど真ん中に降り立ち次々と破壊してゆく。


ブレアが雨雲を呼び大竜巻が巻き起こしザクザクが舞い上がり粉々になった、パークが炸裂する矢をはなち辺りゴブリンを囲むように火の壁が立ち上がると中にいるゴブリンと魔蜘蛛は悲鳴をあげて焼け死んでいった。それでもかなりの数のモンスターが残っている。


「だいぶ倒したけど、まだ時間がかかりそうだね」パークがブレアを見たとき、大神官デービスがアイラに魔法をかける。アイラの体が光輝くとフワリと宙に浮き、そのままデービスの元へと一直線に飛んでいった。


「アイラちゃん!」


大神官デービスがアイラを口に咥えたと思われたそのとき、


「心身の術!」どこからか、叫び声が聞こえた。


いつの間にかデービスの口の中には人間の形をした丸太があった。さらにデービスの体には無数の手裏剣が十字架を描くように刺さっていた。

デービスが唸り声を上げて、もんどり打って倒れる。

そして、イケメン勇者の横にはアイラを抱きかかえた、忍者にジョブチェンジしたリンドーが立っていた。

リンドーはアイラを地面に優しく横たえると口笛をならした。すると1000人もの忍者が現れた。


「遅くなったね。残りは任せて、さあ片づけよう!」


忍者たちが残ったモンスターや魔蜘蛛を次々と倒してゆく。そうはさせずと大神官デービスが召喚魔法をかけようとしたとき、


「伸縮自在の術!」リンドーが叫ぶと、一瞬で大神官デービスの背中に回ったリンドーがムラマサブレードを背中から突き刺していた。一瞬の出来事にデービスは悲鳴を上げる間もなく絶命した。


「ヒール!」ついにイケメン勇者がアイラに回復魔法をかける。


(す、凄い……勇者ってこんなに……さ、才能があるわ……いやん……おぉ……LOVE &PEACE……)


「アイラちゃん、回復は一回までだよ!」順調にザクザクを倒しているラフロが叫ぶ。


(えっ!? ちょうどもう一回って言おうとしたのに……こうなったらさっさと片付けてコッソリと……そうだ……勇者さんと僧侶さんが同時に私に……いや凄すぎるって……一晩中二人が私に……きゃあ考えただけで……ダメダメそんなこと……でも一回だけなら……)


「もう終わりにしましょう!」なんとか煩悩を振り切って回復したアイラが叫ぶ。


「究極神技、鳳凰天舞!」アイラ自身がフェニックスと化し魔バレンボウ将軍に体当たりをする。


「ギャー!」 一瞬で魔バレンボウ将軍が灰になった。


ほどなくして、全ての魔族とモンスターが消え去り、固唾を飲んで見守っていた街の人々は涙を流して大歓声を上げた。

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