41話
「どりゃどりゃどりゃー!!」
錆丸の連続突きで魔物を倒し、素早く魔石を回収する。最初の探索の時は全身が強張るほど緊張していたが、今はかなり平常心を保てていた。
探索、ネフェルティティの部屋、二時間の睡眠。
探索、ネフェルティティの部屋、二時間の睡眠――。
このサイクルを何度も繰り返したおかげで、さすがにダンジョンの雰囲気に慣れ、この階層の構造もすっかり把握していた。フルプレートアーマーの騎士に出会ったら即座に逃げる。とにかくそれだけに気をつけていれば、普通の雑魚敵など簡単にあしらえる。
回収した魔石を喰らってパワーアップを繰り返しているおかげで、自分でも明らかに力強くなっている実感があった。
「よし、あった!」
地面の上に無造作に置かれたリュックサックへ駆け寄る。
今回の探索の目的は、カツジのリュックを回収することだった。遺体自体はすでにダンジョンに吸収されて消えているだろうが、持ち物は残っている可能性があると考えたのだ。
リュックの中には行動食や水といった備品が入っているはずで、これらを確保できればレベル上げに費やせる時間を一気に増やせる。
周囲の気配を警戒しながらリュックを背負い、ついでに転がっていたヘルメットも回収する。
「あ……」
持ち上げたリュックの隙間から、ぽろりとひとつの魔石が転がり落ちた。
それは――カツジの魔石だった。
「ジュン……」
背後から突如響いた自分を呼ぶ声に驚き、勢いよく振り返る。するとそこには、空中にぷかぷかと浮かぶ見知らぬおじさんの姿があった。
「悪霊退散! ハァ!!」
「うわーーーーー!!! やめてくれぇええええええええええ!?」
大声によって、足のない人間のおじさんの幽霊が怯んだ隙を見逃さず、準之介は全速力で走り出した。
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