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23話  ~生まれ変わる天使~

 



「えぇえええーーーー?!!!!」


 ガリクを打ち倒した準之介が驚愕の声をあげた理由、それは突如として目の前に奇妙な映像が立ち上がったから。


 画質の悪いプロジェクターかゲーム画面のような平面的な映像が空気中にぽっかりと浮かんでいる。


(一体誰が、どうして……?)


 慌てて周囲を見回しても、怪しい人物の気配も、それを映し出す機械の姿もない。困惑しつつも、準之介の視線は嫌応なく目の前の映像に引き寄せられた。


 それはゴブリンの上位種であるホブゴブリンだった。


「ぐがーーー!!」


 狂暴な顔で吼えている映像の下には説明文が添えられていた。


 《種族名:ブラッドゴブリン 特性:ホブゴブリンの亜種。ダメージを負うほどに攻撃力が上昇する》


 準之介が読み終えたのを合図に、映像がパッと切り替わる。

 今度現れたのもホブゴブリン型の魔物だが、さっきのものとは明らかに種類が違った。


 地面に大の字で寝転がり、鼻ちょうちんを膨らませてすうすうと眠りこけている。


 《種族名:スリープゴブリン 特性:ホブゴブリンの亜種。二時間睡眠で八時間睡眠と同等の回復力を持つ》


 さらに映像が切り替わり、今度は心なしか知的な光を宿した賢そうな顔立ちのホブゴブリンが映し出される。


「ガッ! ガッ! ガガッ!」


 小気味よい掛け声とともにゴブリンたちに指示を飛ばすその姿の下には、こう記されていた。


 《種族名:リーダーゴブリン 特性:ホブゴブリンの亜種. 手下に指示をする能力に特化している》


 映像は再び最初のブラッドゴブリンへと戻り、同じループを繰り返していく。


(……さっき頭に聞こえた「進化の選択肢」って、これのことか……!)


 それぞれのゴブリンをじっと見つめ、ひとつ頷いた後で準之介は叫んだ。


「――スリープゴブリンに決めた!!」


 天に向かって声を張り上げた瞬間。


「これで、いいのかな……?」


 次の瞬間、体に激変が訪れた。


 腹の中に、赤々と熱したボーリングの玉を無理やり放り込まれたような凄まじい熱感が広がり、世界が下へと遠ざかっていく。視界の高さがぐんぐん上がっていくのが分かった。


(きた……! 進化だ、俺の体が進化してるぅううううううっ……!)


「にゃー!なー!ふぎょーー!!!」


 そんな準之介に猫のタンバリンは本気の猫パンチを繰り返していた。




最後まで読んでいただきありがとうございました。


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