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エレア  作者: 東川進
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episode:2 異邦人 後編

 柳はフォンブラスターを構えながら建物の間の道を歩いていた。角を曲がったときそこに男性がいた。

「動くな!」

柳が男性に警告したとき、男性の肌が黒く変色していった。

顔の皮膚がめくれて反転し黒い化け物が現れた。

「なんだ……こいつ」

フォンブラスターを持つ手が震えた。

(これがエレアか)

柳は人差し指を引き金にかけた。そのときエレアの体がだんだん透けていった。やがて体が完全に見えなくなった。

引き金をひくと青白い光が直進していき、建物の壁に当たった。壁はジュウウウと音を立てて焼け焦げている。

柳はフォンブラスターを降ろした。

「逃げられたか」


 千代田はまた別の道を歩いていた。手汗でフォンブラスターを握る手が湿っていく。

「千代田」

千代田はとっさに振り返りフォンブラスターを構えた。そこにいたのは柳だった。

「柳、そっちはいなかったの?」

「さっきエレアを見つけたんだが見失った」

「そう。私はまだ見つけてないわ」

千代田が歩き出すと柳は一歩遅れて歩き始めた。千代田のフォンブラスターから音が鳴った。

(電話だ)

「もしもし」

「俺だ。柳だ!」

「え? 柳くん? いま後ろに……」

「っ! そいつがエレアだ!!」

千代田が振り返ると柳はすでにいなかった。

顔が青ざめた。一目で地球外生命体と分かるほど異様で禍々しい見た目をしている。千代田は一歩退いてフォンブラスターを向けた。手がガタガタと震える。エレアが走ってきた。千代田は目をつむり引き金を引いた。

 青白い光が空気を切り裂いた。しかしそれはなにも当たることなく通り過ぎやがて壁に着弾した。

「どこに行った……」

千代田は肩をつかまれた。千代田はとっさに振り返りフォンブラスターを向けた。そこにいるのは柳だった。

柳は手を挙げておどおどしていた。

「おい、千代田。俺だ」

「エレアの擬態じゃない証拠は?」

「お前が警察学校にいた頃の彼氏は年上の……」

「あーーわかった! もうしゃべらないで!!」

大声で喚く千代田を見て柳はつい笑ってしまった。千代田は赤面している。

「それで、エレアは?」

「……消えた」

柳と千代田は歩きながら話した。柳の首元に汗が流れ落ちた。すると、目の前にエレアがいた。2人はフォンブラスターを構え撃った。

 エレアに命中した。当たった箇所から煙が出てジュウウウと焼けるような音を発している。エレアの苦しむ声が聞こえた。柳がとどめを刺そうと引き金を引こうとしたときエレアは透明化した。そして、2人はいきなり吹き飛ばされ、地面にたたきつけられた。

「千代田、大丈夫か?」

「えぇ……柳こそ」

「俺は大丈夫……」

柳は自身のフォンブラスターが浮くのを目撃した。

(まずい! フォンブラスターを盗られた!)

 フォンブラスターは柳のほうへ向いた。柳が死を覚悟したときフォンブラスターの発砲音が鳴り、宙に浮いていたフォンブラスターが落ちた。柳が向こうを見ると佐原がフォンブラスターを構えたまま立っていた。エレアは姿を現し、跪いた。

「これがエレア、10体目だ」

 佐原はフォンブラスターを向けたままエレアに近づいた。千代田は春に連絡した。

「おい、お前。ちょっと話いいか?」

佐原はエレアに冷たい声色で言った。そこに柳が割り込んだ。

「お前、この武器のことを知っているな。どこで知った!」

エレアは少し間を空けて喋った。

「あいつが……言っていた。あいつがお前らのことを……」

「それはエレアか」

佐原は引き金に指を置いて言った。しかしその直後エレアは力尽きて倒れた。エレアの死体がだんだんとまばゆい光に包まれて消えた。

「これが、エレア」

「あぁ」

「ごめぇぇん大丈夫だった?」

春が遠くから走ってきた。柳の頬が緩んだ。


 捜査室

 柳のフォンブラスターが地面に激突した衝撃で少し壊れてしまった。佐原は柳と千代田にある場所を紹介した。2人はそこへ向かっていた。

「ここか」

2人は地下にある施設の入り口に立っていた。奥にはフォンブラスターの動力源である配線が何本も張り巡らされている。2人がはいると、初老の白衣を着た男性が立っていた。

「柳さんと千代田さんですな」

「あなたは?」

「科学者の石ケ原敬三ともうします」

「いしがはら、けいぞうさん?」

「左様でございます。今回は柳さんのフォンブラスターの修理ですな」

そう言って石ケ原は柳からフォンブラスターを受け取った。

「はい。そうですが」

2人の消極的な態度を見て石ケ原は自信満々に言った。

「実は、このフォンブラスターを開発した科学者です。これから発射されるビームも私が開発したもので、それで特許も取ったのですぞ」

「すごっ」

石ケ原はフォンブラスターを一通り見たあと2時間もあれば直ると言った。柳は彼に任せた。

 2時間後、フォンブラスターは完全に修理された。

「石ケ原さんすごいですね」

「いえいえ、開発者ですから」

「ありがとうございました」

 2人はここを離れ捜査室へと戻った。

次回は5月2日18時に公開です。

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