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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD Ⅲ
61/64

61 約束



副局長…!?


研究技術局。


緑人の研究をしたり、銃などの対緑人用の武器の生産。烏兎の働いていた医療局と、共同で緑人化の治療法

研究などもやっている。…とりあえずなんかすごいところ。


アザミが呟く。


「表面温度と周囲の気温差が大きいな……」


小春が言う。


「内部の温度も測りますか?」


「いや。先に脈拍…周期的な反応を確認する。」


「さっきから一定じゃないですよね〜。」


「そうだな。規則的に見えるが、少しずつ変化している。」


明里が口をはさむ。


「生きてるってこと?」


アザミが淡々と答える。


「まだ断定できない。生命反応があることと、生物として活動していることは別だ。」


……何言ってるかわからん。


明里が聞く。


「これが、緑(・)人(・)の(・)巣(・)の可能性はない?」


「…まだ断定はできないが、緑人の巣ならもっと表面温度は低い。それにサイズが既存の巣と比べて小さすぎる。」


「なるほどね〜。」


俺は首を傾げて聞く。


「あの…緑人の巣って、どれくらいの大きさなんですか?」


「ん?あ、そっか。見たことないもんね〜。まぁ、見る機会なんてほぼないけど。」


明里が目の前の塊を見つめながら言う。


「う〜ん。小さいので高さが…200mぐらいはあるんじゃないかな〜。」


「に、にひゃく?」


「うん。200。」


デカっ……


「あの…あんまり、巣の話って聞かないんですけど……巣って何なんですか?」


「聞きたい?」

「えっと…聞きたいです。」


「了解〜。」


何で確認したんだ……?


明里が話し始める。


「私も見たことがあるわけじゃないから、知り合いから聞いた話だけど……結構昔に調査部隊が、巣に入る

ことになったんだ。隊長格まで入れて、総勢300人で巣に向かった。そこには知り合いの友達もいたらし

い。」


300人……


「でも、次の日には帰ってきたんだ。そのときの人数は何人だと思う?」


「えっと……150人とか?」


「ぴったり半分だね。正解は5人。」


え……


「5人!?」


「うん。知り合いの友達も含めてね。その友達は右腕を欠損してて、戦闘員をやめて事務仕事に移った

よ。」


「……!」


俺は無言で目の前の物体を見つめる。


アザミがカチカチ、キーボードを叩いている。


そのとき、アザミが首を傾げる。


…何かあったのか?


「何だこの数値……」


明里が聞く。


「どうかしたのかい?」


「魔力量を測定してみたんだが…数字がおかしい。」


「?」


機械の画面を覗き込む。



『1012』



明里が目を細める。


俺は小春に聞く。


「えっと…どういうことですか?」


「魔力量ですか?えっとですね。まず一般人の魔力量平均数値は200。」


意外に多い……


「あんまりいないですけど、多い人だと320。普通の緑人が357。芯ができてる強い緑人……”緑核体”は43

0〜489。」


「じゃあ…この数字は……」


「既存の生物ならありえないですね。一つありえるとしたら……魔神。」


魔神……


「魔神の魔力量測定をする機会なんて、ほとんどありません。過去の記録で1030とか異常な数字があった

り、逆に98なんて少なすぎる数値が出たりしてます。」


「差がすごいですね……」


「でも、魔神の姿をハッキリ見た人はほぼいなくて…今、私が挙げた数字も、魔神のものとは限らないんで

すよね……」


アザミはその間も機材を操作していた。


突然、アザミが口を開く。


「紫電は…変わってなかったか?」


え…


俺に…聞いてるのか……?


「は、はい。写真と変わってません。」


「そう、か……」


俺は黙り込んでいたが、ぽつりと言う。


「俺、パドさんが…紫電さんやアザミさんのこと教えてくれたとき、約束したんです。」


「?」


「パドさんは『自分にはできない。』って言ってました。だから…俺が代わりにやるって。約束したんで

す。」


アザミの真っ黒な目が、紅い目を見つめる。


「紫電さんを…絶対に止めます。」



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