↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD Ⅲ
56/66

56 木の葉



斗花が空気を変えようと聞く。


「そういえば二つ目の悪い話ってなんですか?」


「ん?あぁ…。それはな。」


パドはしれっと言う。


「副隊長も明日帰ってくるそうだ。」


俺は口を半開きにして固まる。篠雨がものすごく嫌そうな顔をする。


烏兎が聞く。


「え?俺たちの支部、隊長も副隊長もおらんかったん!?」


「うん。代わりにパドがまとめてたよ〜」


リートは篠雨の手から飴を取って言う。


篠雨はジトーっとリートを見ている。


斗花が首を傾げてパドに聞く。


「それのどこが悪い話なんですか?」


「凰理にとっての話だが…。副隊長とも凰理は仲が悪いんだ。」


「な、なるほど……」


九条と凰理が言い合いを続けている横で佐竹が頭を抱えている。


そのとき。


ガシッと明里が笑顔で九条を掴む。


「やぁ!久しぶり。」


「あ?何の用だババ…!」


明里が九条の足を踏む。


「いてぇよ!足どけろ!!」


「じゃあ、その汚い口をクリーニングしなきゃね。九条借りてくよ〜。あと、パドと烏兎くん、退院おめで

と。」


九条の大声と明里がからかう声が遠ざかっていく。


烏兎がぽつりと言う。


「なんか…嵐みたいやったな。」


斗花がうんうんと首を縦に振っている。


佐竹がげっそりした顔で言う。


「隊長、別の人に変わりませんかね。」


「同感!」


俺の返答に苦笑いしながら烏兎が言う。


「九条隊長っていつもあんな感じなん?」


リートが答える。


「うーん。そうだね〜。凰理と顔を合わせるたびに大声で言い合いして、パドに怒られるんだよね。」


「……」


「あの…篠雨さんも副隊長の話のとき、嫌そうにしてましたけど……会ったことあるんですか?」


斗花の質問に篠雨が飴を噛み砕きながら言う。


「…まぁな。」


「へぇ〜どんな人なん?」


篠雨がしかめっ面で烏兎に返す。


「簡単言うと……喋ってて気持ち悪い。」


「ストレートな悪口やな。」


パドがぽつりと呟く。


「そろそろお前ら任務の時間だぞ。」


「あ!じゃあ、いってきます!」


烏兎が笑顔で言う。


「久々の任務やなぁ。」


「最近ごたついてたからな。」


篠雨が車のドアを開ける。


今回の任務は斗花も参加で、少し緊張した面持ちで車に乗り込む。


俺は助手席に乗り込んで斗花に言う。


「そんな緊張しなくても大丈夫大丈夫!行ったことあるんでしょ。」


「でも…久しぶりなので……緊張して。」


「ただの蕾掃除とパトロールだから大丈夫だ。」


篠雨が車を発信させる。


いつの間にか烏兎が寝ている。


茶色い枯れ葉が、窓の外で宙を舞った。



・・・・・***・・・・・***・・・・・



「よし!仕事終わり!!」


俺は伸びをして言う。


烏兎が言う。


「やっぱ、パトロールはあんま何も起きひんな。」


「そうですね。」


斗花は仕事が終わって安心しているらしい。


このあと仕事ないし、何しよっかな……


斗花が言う。


「このあと用事あるので…帰りますね。」


「おう。また明日。」


「はい。」


走って行く斗花を見送りながら聞く。


「篠雨たちはどうするんだ?」


篠雨と烏兎がほぼ同時に答える。


「帰る。」


「お、おう。」


俺は…


「散歩してくる!」


「ええな〜。気をつけてな。」


「りょーかい。」


日が傾いている空の下を歩く。


どこ行こうかな…


「あの。」


凛とした声が響く。


「?」


振り返ると一人の男性がいた。


真っ黒い髪に蓬色の鋭い目。俺より身長が低く、年下に見える。


真っ黒な服が風にたなびいている。


男性は俺の目を見つめて言う。


「風谷鳴朝はいますか。」


「鳴朝…さん?」


意外な言葉に首を傾げる。


「はい。」


「えっと…多分いると思います……」


「どこですか。」


「えっと、それは知らないです…」


「パドさんは?」


「いますよ。」


「案内していただけますか?」


「えっと…」


案内の前にこの人誰だ……?


そのとき男性が思い出したように言う。


「すみません。自己紹介が申し遅れました。」


木の葉がざわめく。


「第七支部副隊長、透凪千景(とおなぎちかげ)です。」


10/30 一部修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。