4 合わない
「!?」
俺たちは走り出す。
角を曲がると数人の人々が立っていた。
そしてその中央に植物が生え、今にも緑人になりそうな男性が立っていた。
「何で……!?」
緑人は近くにいない。原因がない。
「何があった!」
篠雨が近くにいた人に聞く。
「わからないけど、いきなり……」
「早く逃げろ。」
篠雨が刀を握る。
男性は頭を抱えながらよろける。
バチャっという音とともに男性の頭が植物に変わる。
俺は反射的に近くにいた子供を抱えて地面を転がる。
枝が地面に刺さっている。
篠雨が刀を抜く。
そのとき子供が叫ぶ。
「お父さん!」
…!
「篠雨!止まれ!」
だが篠雨の刀が動く。
篠雨の刀が男性の首に届く寸前。
男性が消える。
「!?」
「ずいぶん騒ぎになっているな。」
低い声が響く。
振り返ると、飛行帽を被った長身の男性が立っている。
片手は岩のようで、さっきの緑人化した父親を掴んでいる。
俺は思わず呟く。
「何でここに……」
「いたら悪かったか?」
鋭い目が俺を見る。
「これぐらいの騒ぎなら一分で片付けろ。」
そう言って男性は電話をかける。
「3丁目だ。あぁ、わかった。」
男性はスマホを切って歩き出す。
「ちょ、その男性……!」
「黙っていろ。後処理は警察がやる。行くぞ。」
男性の背中が遠ざかる。
篠雨も歩き出す。
子供が泣きじゃくっている。
俺は静かに拳を握った。
・・・・・***・・・・・***・・・・・
「話がある。」
男性が壁にもたれて言う。
俺は篠雨の隣に座りながら聞く。
「話って何ですか?」
「少しな。」
「あの……パドさん。男性はどうなりました?」
さっきの光景を思い出しながら呟くように言う。
パドは目を閉じて答える。
「……あの状態になったら戻らない。」
「そう、ですよね。」
俺は静かに拳を握る。
「お前ら組んでからうまくいってるか?」
「えっと、まぁ、バッチリで……」
「嘘だな。」
何で……バレた。
「篠雨、お前はどうだ。」
「最低限の連携はできてます。」
「そうか。」
……この二人知り合いなのか?
「今、任務相手がいなくて困ってるやつがいる。うまくいきそうなら、お前らのところに入れようと思って
るんだが。」
「いいですよ!」
「篠雨に確認を取ってから言え。」
パドは呆れたように俺に言う。
「別にいいですよ。」
篠雨は静かに言う。
「分かった。詳しくはまた言う。」
篠雨と立ち上がって廊下に出る。
「なぁ篠雨、お前俺が叫んだとき刀…」
「あぁ。止めなかった。」
「…!」
「いちいち躊躇ってたら死ぬのは俺たちだ。俺は俺の思う通りに動く。」
篠雨の足音が遠ざかる。
パドが廊下に出てきて呟く。
「新しいやつはそれなりに元気だ。お前らの調整役にもいい。……お前の考えと篠雨の考えは合わない。」




