45 練習
篠雨がジュースを片手に投げ飛ばされる俺を見ている。
ここは俺たちが働いてる第6支部のトレーニングルーム。
怪我が治り、俺はひたすら鳴朝に投げ飛ばされていた。
「強いですね……」
「まぁね…」
フレンが俺にペットボトルを渡してくる。
「あ、ありがと……」
鳴朝はベンチに座るとペットボトルのキャップを開ける。
「凰理くんはそれなりにはできてるけど…やっぱり練習しないとさ。」
「そうですか…篠雨は……」
「篠雨くんは全然強いよ。」
「え?」
「篠雨くん”監査官”だったし。」
へぇ〜、ってあれ?
「監査官!?」
「うん。」
監査官は簡単に言えば監査局で働いてる人のこと。戦闘員の何倍も難しい試験に合格すればなれる。
「そっか…明里さん局長だもんな……」
篠雨は無言でジュースを飲んでいる。
鳴朝が続ける。
「篠雨くん、監査官の中でも強い方だから大丈夫さ。紫電さんが規格外なだけ。」
「…なるほど。」
「でも、やっぱりリートさんと組んでたから凰理くんも普通より強いさ。」
「え!?そうですか!」
「うん。」
リートさん強いもんな……
「やっぱり、凰理くんは炎帝の使い方かな……」
「……」
「鳴朝さんは教えれないんですか。」
篠雨が聞くと鳴朝は答える。
「炎帝のことあんま知らないから…知ってる人に教えてもらったほうがいいさ。」
「知ってる人…」
「炎帝は簡単に言えば魔法道具だからリートさんとかのほうがいいと思う。」
フレンがめずらしく会話に参加する。
魔法道具は名前の通り魔法の道具。
リートさんにか……
フレンがぽつりと言う。
「鳴朝は魔法ド下手だから無理。」
「うっ……」
「フレンは何か魔法使うのか?」
俺が聞くとフレンはチラリと鳴朝を見る。
鳴朝が突然、空中にペットボトルキャップを投げる。
フレンの濃藍の瞳がキャップを見つめる。
キャップは静かに空中で停止した。
篠雨が驚愕の表情で固まっている。
しばらくするとポトンと鳴朝の手のひらにキャップが落ちる。
「今のは……」
「フレンは物体の時間をえっと…大体5分ぐらい止めれるさ。」
「へぇ〜。って、時間!?」
「うん。」
篠雨が驚いた声で聞く。
「フレンは…魔神の血縁者なんですか……?」
「うん。魔神クロイアの。」
「えっ!?」
俺は驚いてペットボトルを落としそうになる。
「時間止めるっていうのは普通の魔法じゃ無理さ。魔神だからできること。血縁者はそれができる。人間の
血が混じれば混じるほどその力は弱ってくけど。」
「へぇー!すげぇな!」
フレンは無表情でジュースを飲んでいる。
「じゃあ、ジュース飲み終わったら続きやるさ。」
「はい!」




