44 一歩先へ
「まず何したらいいかな……」
「何をだ。」
篠雨が怪訝そうに聞いてくる。
「えっとね…」
「強くなりたいとかか。」
「え!?何でわかるの!?」
「顔に書いてる。」
「えぇ……」
そのとき声が響く。
「あの!」
「うわぁ!?」
斗花の声に俺は驚く。
篠雨が呆れ顔で言う。
「お前、この病院で三回ぐらい驚いてねぇか?」
「……」
俺は斗花に聞く。
「事情聴取…終わったのか?」
「はい。」
「そっか…怖くなかったか?」
「え?あ、はい……」
「何で聞いたんだ。」
篠雨の質問に俺は答える。
「だって映画とかの刑事さんって怖そうじゃん。」
「それは偏見だ。」
「……」
斗花が困ったような表情をしている。
「えっと…斗花、怪我してないんだよな?」
「はい…」
「そっか〜。よかった〜。」
「そんな…私何にも……」
「いやいや。炎帝使う暇もなく倒された俺と比べたら全然大丈夫!篠雨助けたんだからさ!」
「…あの……私も強くなりたいんです!だから…教えてほしいんです。」
沈黙。
篠雨が言う。
「無理だな。」
「えぇ!?」
俺は驚いた声を上げる。
「なんで…?」
「お前絶対教えれないだろ。」
「うぐっ…」
「俺は魔法得意じゃないから教えられないし、俺たちは負けてる。もっと強いやつに教えてもらったほうが
いいだろ。」
「なるほど…」
斗花が納得したようにうなずく。
「じゃあ、どうすんの?」
俺は首を傾げて聞く。
「どうもこうもの前に怪我を治さなきゃ何もできねぇ。」
「それはそうだな……」
斗花が呟くように言う。
「じゃあ…しばらくは……」
「寝てろってことだな。俺たちは。」
「……」
「斗花は怪我してないから一足早くできる。」
「…具体的にはどうするんですか?」
「リートさんに聞けばいい。」
「リートさんにですか?」
「あぁ。後ろにいるぞ。」
「えぇ!?」
リートが後ろにいつの間にか立っている。
びっくりしたぁ……
俺は言う。
「リ、リートさん!強く…」
「わかった、わかった。話聞いてたから。」
リートは咳払いして言う。
「まぁ、まず断言するけど、君たちが紫電より強くなるのは無理。」
「え…」
「相手は最強レベル。5歳でイノシシを倒す、戦いでできてるような紫電には勝てない。」
戦いでできてる……
「紫電を倒せなくても、一歩でも近づけたらそれでいい。っていうことで、凰理と篠雨は怪我が治り次第、鳴朝と組み手。」
「えっ!?」という声が響く。
ちょうど病室に入ってきた鳴朝が驚いている。
「斗花は私が教えるよ。魔法は得意だから。」
「は、はい……」
鳴朝が自分を指さして言う。
「俺…組み手?」
「できるでしょ?」
「できるけど…」
「なら大丈夫。」
鳴朝のため息が聞こえた。




