41 起床
白い天井。
凰理はぼんやりとしている頭を働かせる。
ここどこだ……
ふと、飛び散る鮮血の光景が頭をかすめる。
俺はガバっと起き上がる。
全身に痛みがはしって、俺はうずくまる。
「いったぁ……」
俺は周りを見渡す。
病院か……?パドさんたちは……
そのとき病室の扉が開く。
入ってきたのは鳴朝とリートだ。
「!…あのっ!パドさんたちは……」
「パドは危険な状態だったけど、大丈夫。」
リートが椅子に座りながら答える。
鳴朝が微笑んで言う。
「篠雨くんと烏兎くんも無事さ。斗花ちゃんは無傷だけど今、事情聴取でいないさ。」
俺は安堵の息をつくが、疑問は山ほどある。
「あのっ!聞きたい…」
「わかってる。」
「…!」
「白銀の髪の男性のことでしょ。」
「…はい。」
リートは窓の外を見つめる。
「彼の名前は滝上紫電。元戦闘員で私たちの親友だよ。」
「え…」
「一番付き合いが長いのはパドだね。その次に私。鳴朝はよく稽古つけてもらってたよ。」
「……どういうことですか。」
「私もね…よく分からないんだ。」
リートがスマホを見せる。
表示された一枚の写真に複数の男女が映っている。
「これ鳴朝。」
少し目つきの悪い鳴朝が微笑を浮かべて立っている。アビエイターゴーグルはつけていなかった。
身長が今より低いが昔の写真なのだろうか。
リートも映っていて、微笑んでいる。
そして目を引いたのは画面の中央の方にいる二人組だった。
今と何ら変わりのない姿のパドと白銀の髪で満面の笑みを浮かべ、パドと肩を組んでいる紫電だった。
全然違う……
「紫電は元気で明るい性格でね。パドが苦労してたよ。」
鳴朝が懐かしそうに言う。
「頭が…まぁあんまよくなくて、よく変なこと言ってたさ。」
リートが言う。
「本題はここから。紫電はね。」
数秒の沈黙が流れる。
「三年前に死んでるんだ。」
・・・・・***・・・・・***・・・・・
ソファに座っているあやめがアイスにかぶりつく。
「いや〜。見事に成功。」
「そうっすね!」
向かいに座っているハルがニコニコしながら返す。
あやめが身を乗り出して言う。
「てかさ〜やばすぎでしょ。本当にここまで見事に成功するとはね〜。びっくり。」
「うまく、パドさんを動揺させられたっすね。」
「おかげで銃撃しやすくなったよ。ね?」
あやめが後ろに立っているパドを撃った女性に聞く。
「えぇ。ありがとうございます。」
女性は微笑んで言う。
ハルが残念そうに言う。
「でも…スマホは失敗しちゃったっす。」
「まぁまぁ、いいじゃん。パドをしばらく戦闘不能にさせれたんだしさぁ〜。十分成功!」
あやめはそう言うとゴミ箱にアイスの棒を捨てる。
長髪の男が言う。
「そろそろ晩飯にせぬか。」
「いいね〜。セツナ!よろしく。」
「はい。」
セツナと呼ばれた女性はニコリとして言うと部屋を出ていく。
ハルが立ち上がる。
「レインさん呼んでくるっす。」
「いってら〜。」
ハルは一つの部屋のドアをノックする。
「どうぞ〜」
レインの声と同時にドアを開ける。
薄暗い空間ににゲームをしているレインとぼーっとしている紫電がソファに座っている。
「晩ごはん、セツナが作るらしいっすよ。」
「じゃあ行かなきゃね〜。」
紫電の目はぼんやりしていて焦点があっていない。
レインは紫電を見つめながら呟く。
「ん〜紫電はどうしよっか。」
「どうするっすかね〜」
「まぁ、お疲れみたいだし一旦置いとこう。さてと…」
部屋から出ると窓から橙色の空が見える。
「次は何しよっかな〜?」




