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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD Ⅱ
39/65

39 血の中



一言がこだまする。


篠雨が振り向く。


ガン!という音と銃声。


鮮血が舞う。


俺は叫ぶ。


「パドさん!」


どこからか飛んできた銃弾に撃たれたパドが倒れ込む。


篠雨は銃弾を防ごうとしたようだが、漆黒の髪をくくった長髪の男に刀で押さえられている。


烏兎が叫ぶ。


「肺や!救急車呼ばへんと!」


斗花がブルブル震えながらスマホを見つめている。


スマホは圏外。


通信機は…


無情にノイズだけが聞こえる。


パドが咳込んで血が滴る。


そのとき。


天窓の下に立つ、白銀の髪の男性が上着を脱いで袖で腰に結ぶ。


パドが血を吐きながら言う。


「に…げろ。」


「!?」


フッと白銀の男性の姿が消える。


次の瞬間には烏兎の前に立っている。


烏兎の驚いた顔が目に映る。


血が舞う。肩から縦に切られた烏兎が崩れ落ちる。


烏兎…!


白銀の髪の男性は静かに俺たちを見る。


上着の下には袖なしの上衣を着ていて、黒い手甲が左手についている。


長髪の男が篠雨から距離をとる。


まだ鞘から抜けていない篠雨の刀と白く光る刀がぶつかる。


ギリギリと音が鳴る。


長髪の男が一歩踏み込む。


まずい…篠雨……!


そのとき、長髪の男性が壁に叩きつけられる。


斗花が震える声で言う。


「やめてっ!」


長髪の男が刀を構えながら言う。


「兄弟揃って同じ魔法か。やっかいだ。」


そのときパドが消え入りそうな声で言う。


「俺を…おいて…さっさと逃げろ。」


「でも!」


「あいつ相手に……」


パドが咳き込みながら続ける。


「怪我人……背負って逃げてる暇は…ない。」


パドの体からドクドクと血が流れている。


なんで。何も……できないんだ。


炎帝に火がつく。


篠雨と目が合う。


白銀の男性が後ろに飛び退る。


炎帝がごうごう燃えている。


篠雨が息を切らしながら言う。


「全員で逃げるぞ。」


「あぁ。」


白銀の髪の男性が刀を構える。


すみれ色の目と俺の目が合う。


ゾクッと寒気がはしる。


血飛沫が俺の頬につく。


目の前で刀が光っている。


篠雨が倒れていくのがゆっくり映る。


俺の体から飛び散っていく血液を俺は他人事のように見つめる。


なん…で。


床に血溜まりが広がる。


斗花が叫ぶ。


「凰理さん!」


ハルが言う。


「あっけないもんっすね〜。」


長髪の男が答える。


「仕方ない。かの鬼神にこの程度奴らでは勝てない。」


頬の血を拭って刀を鞘に収める。


白銀の髪の男性は虚ろな瞳で宙を見つめている。


ハルが明るく言う。


「じゃあ、スマホ回収とトドメ刺して終わりにするっす。」


斗花が青い顔で立っている。


俺はかすれた声で言う。


「斗花…パドさんと……逃げてくれ!」


「でも…でも……」


ハルがてくてく近づいてくる。


パドのスマホを拾い上げる。


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