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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD Ⅱ
33/66

33 探し人



暑い…


凰理はアイスを片手に思う。


ずっと歩いているが鳴朝はなかなか見つからない。


「情報なさすぎ……」


烏兎がため息をつく。


平気そうなのは篠雨だけだ。


斗花は暑さでひぃひぃ言っている。


探すっていってもな……


俺たちがいる商店街を見渡す。


それほど多くはないが、人混みの中から見つけられるか不安だ。


斗花がかすれた声で言う。


「ちょ、ちょっと休憩しませんかぁ……」


「そやな…休憩しよか。」


烏兎がため息をつきながら返す。


近くにあった公園のベンチに座って、斗花がため息をつく。


俺は篠雨に聞く。


「なぁ、なんか、鳴朝さん?が行きそうなとこ知らないの?」


「一回しか会ったことねぇし、喋ったこともないからわからねぇ。」


「そっか……」


手がかりゼロ……


ミンミンと五月蝿いセミの声が聞こえる。


入道雲が空に伸びている。


そのとき、向こうでざわざわと声が聞こえる。


烏兎がベンチから立ち上がる。


「なんや?」


「騒ぎですかね。」


斗花が歩き出す。


何なんだ…?ん?あれ……


俺はぽつりと言う。


「店の看板取れかけてる。」


「危な…ってやばいやん!」


烏兎が慌てたように言う。


篠雨が


「全員距離とってる。大丈夫だろ。」


突然、看板がきしむ。


「なっ……!」


俺は思わず声を上げる。


誰かが取れかけた看板の上に立っている。


白いイヤホンをつけていて、薄灰色の髪。片手に鎖鎌を持っている男性。


町中で…!?武器!?


篠雨や烏兎も俺も武器は持っているが、緊急時や仕事のときのみ使用と決まっていて、使わないときは隠さ

なきゃならない。なのに……


ざわざわとした声がさらに大きくなる。


ギギギと看板が軋む。


誰かが大声で言う。


「危ないぞ!降りろ!」


男性がイヤホンを外す。


目を閉じている。


そしてふいに呟く。


「見つけた。」


男性が看板を蹴って宙に舞う。


看板が蹴られた勢いで落下する。


『ガシャーン!』


斗花が


「ひっ!」


と声を上げる。


突然篠雨が走り出す。


男性の鎖鎌が近くにいた子供に届く寸前、篠雨が刀ではたき落とす。


スタッと地面に男性が着地する。


篠雨が言う。


「何のつもりだ。」


「…君。怪我してる。無理はよくないよ。」


「……」


「まぁ、君でもいいや。」


金属音が響く。


鎖鎌が刀とぶつかる。


そのとき烏兎が背後に回る。


烏兎が押さえつけようとしたとき、男性が高く飛ぶ。


「な…脚力どうなってんねん……」


俺も近づこうとするが、鎖鎌のせいでうまくいかない。


斗花があわあわと慌てながらも人々を逃がそうとしている。


そのとき別の声が響く。


「騒ぎを起こしすぎだよ。眠。」


人混みの中から丸メガネの男性が現れる。


白衣を着ていて研究者のような見た目だ。


眠と呼ばれた男性は淡々と返す。


「…騒ぎを起こせって言ったのはそっち。」


「まっ、そうだね。」


何だ…こいつら。


「それにしても、興味ある子たちも釣れてラッキーだね。思う存分遊べるね。」


そのとき聞き覚えのある声が響く。


「思う存分遊んだら監査局の局長が来るじゃん。というか、そこの有翼人はワタシが殺


す。」


「怖い怖い。」


リゼまで……


ピリピリした空気が流れる。


丸メガネの男性が言う。


「さてと。いるんだろう?君のせいでたくさんの人が巻き込まれるのは嫌だろ?出てきなよ。」


何だ?何の話だ?


そのとき人混みの中から一人の男性が出てくる。


青灰色の瞳。黄色いスタジャンを着ていて、アビエイターゴーグルが陽光を反射している。


探していた風谷鳴朝が、そこに立っていた。



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