2 緊急
任務が終わり車に乗り込む。
車内で俺は言う。
「このあとしばらく何もないし昼飯食いに行こ!」
「好きにしろ。」
「じゃあ、篠雨の奢り!」
「奢るわけねぇだろ!」
「え〜ダメかぁ。」
「いけると思ってたのか。」
「思ってた。ていうか、口調崩したらそうなるんだな。」
「うるせぇ。」
そのとき俺のスマホに電話が来る。
リートさんからか。
「はい。もしもし。」
『ハロー。そっちはどう?』
「全然大丈夫ですよ。」
『任務相手とは合いそう?』
「はい!バッチリです。」
『嘘ついてる?』
「いやいや、嘘なんてとんでも……」
『ついてるね。』
「……」
『まぁ、相手の性格もあるだろうしこのあとの任務も頑張って。』
電話が切れる。
「何の電話だ。」
「いや、まぁいろいろ……」
リートさん俺の嘘、見抜くのうまいんだよな……
そう思っていると、急に車が急停車する。
「うおっ!どうした……」
俺は目の前を見てすぐに車を降りる。
篠雨も降りる。
目の前の交差点に一つの蕾があり、大量の緑人が道路を埋め尽くしていた。
たくさんの人が逃げている。
俺は走り出しながら聞く。
「破壊用の爆弾は?」
「予備がある。」
篠雨はそう言うと同時に緑人を切る。
あの薬の効力はまだ続いてる……あと5分ってとこか。
篠雨が緑人を倒しながら言う。
「数が多い……周りの被害が大きくなる…」
俺は篠雨の肩を叩く。
「?」
「肩の力抜いてよ。あとその事務的な話し方もNG。」
「何言って……」
「まぁまぁ。見ててよ。」
俺はポケットから小さな筒を取り出す。
緑人たちがうめき声をあげながら、一歩一歩近づいてくる。
俺は筒を握りしめる。
「よっしゃ。行くぞ。」
その一言とともに筒の両端が燃え上がる。
炎の中で、両刃の槍が光る。
俺は目の前の緑人に向かって、振り下ろす。
炎が舞う。
俺はそのまま、蕾まで走る。
「篠雨!爆破頼んだ!」
槍の炎が燃え上がって大きくなる。
「よいしょ。」
ぐるっと槍を回す。
緑の液体がアスファルトを飛び散る。
蕾が爆発する音が聞こえる。
緑人がうめき声を上げている。
炎帝を振り下ろす。
「4分57秒。うん、めちゃくちゃギリギリ。」
周りの人間は全員避難したのか、交差点に立っているのは俺と、驚いた顔をしている篠雨だけだ。
「篠雨〜。大丈夫?」
「お前それ何だ……」
「ん?筒。」
「ふざけてんのか……」
「わかったって、ちゃんと説明する。」
俺は近くのベンチに腰掛けながら言う。
「魔神って知ってるでしょ?」
「あぁ。」
魔神というのはこの世界にいる強い謎の怪物のこと。
正体不明の行方不明の存在だ。
「そんで、この武器炎帝はその怪物の欠片から作られたっていう、嘘かホントか分かんない話。」
「……」
「わかった?」
「要するに兵器か?」
「まぁ、そういうこと。なんかよく分からん試験に受かって、ゲットした。」
なぜか篠雨は呆れたような表情をしている。
そのとき、バキッという音が響く。
「これはマズイかな。」
交差点に立っているのは蕾と同じ大きさはある、巨大な植物の塊だった。
薬の効力切れちゃったんだけどな……
身構えたとき、ヒュルッという音が響く。
糸が緑人に巻き付く。
ギシッという音とともに、緑人がごなごなに飛び散る。
緑人の血液が俺の足元まで伸びる。
「ちょっとグロいですよ〜!」
「助けた人に開口一番ひどいと思うんだけど。」
リートが電柱の上で言った。




