1 任務
車が止まる。
目の前にはフェンスと、大きな壁が立っている。
「M-12って緑人の出没多いから困ったもんだよね〜。」
しかし、篠雨は無視して歩き出す。
「はぁ〜。」
俺はため息をつきながら篠雨を追いかける。
フェンスの入口を通って、壁の前に着く。
扉が一つあって、警備員が立っている。
警備員が言う。
「許可証を。」
篠雨は無言で見せる。
俺も「どうぞ。」と言って見せる。
最後に許可証を機械に当てる。
ピコン。
という音とともに扉がゆっくりと開く。
俺たちは中へ静かに足を踏み入れる。
ガラスが割れていたり、瓦礫が飛び散っている。
目の前に広がるゴーストタウンを俺たちは歩く。
緑人という生き物がいる。
突然現れた正体不明の存在。
緑人は人を喰い、養分を得る。
特に厄介なのは緑人が出す、微量の毒ガスだ。長時間吸えば……
俺たちも緑人になる。
そして、治療法はない。
俺はポケットから薬を取り出す。
口に入れて飲み込む。
これで30分は毒ガスは効かない。
でもこの薬マズイんだよなぁ……味変えてくれたりしないかな。
「蕾掃除か〜。絶対、緑人密集してるよね。」
「当たり前だろう。」
「ねぇねぇ、ちょっとさぁ。その事務的?な話し方やめようよ〜。なんかもうちょっと崩した話し方あるでしょ?」
「ない。」
「嘘つけ!絶対ある!」
無視して歩き続けようとする篠雨の服に俺はしがみつく。
「事務的やめよ〜。」
「うるさい。離せ!」
「お願いだから〜。」
「わかった、わかったから。離せ!」
篠雨は舌打ちをしながら歩く。
怖いな〜。
しばらく歩いていると篠雨が足を止める。
足音とともにそれは現れる。
緑人……
スーツを着ていて、首から上が花になっていることを除けば普通の人間だ。
そのときうめき声とともに大量の緑人が一斉にこちらを向く。
この近くに蕾あるな……
俺は身構える。
そのとき篠雨が背負っている黒いバックから何かを取り出す。
刀?
篠雨は刀を抜くと緑人の群れに突っ込んでいく。
「え、危な……」
俺が言いかけたと同時に、青空に緑色の液体が飛ぶ。
篠雨はものすごい速さで緑人を切りながら突き進んでいく。
「置いてくぞ。」
「それは困る!」
俺は篠雨を追いかけて走り出す。
俺は反射的にしゃがむ。
俺の頭上を枝が通過する。
チラリと見ると緑人の腕が枝に変化していた。
やれやれ。
ため息をつきながら俺は走る。
奥に行くにつれて増えてる……これはあたりだな。
緑人の数が多ければ多いほど、緑人になるまでの時間は縮む。だから、気をつけなくてはいけない。
篠雨が止まる。
「あったぞ。」
「思ったよりスモールだね。」
目の前に一軒家2階分はある大きな花のつぼみがあった。
これが現れる理由は不明。
一つ言えるのは、これが成長したら厄介ということ。
成長すれば……緑人を生み出す巣になる。
「これを掃除するってわけねぇ〜。」
「さっさとやるぞ。」
篠雨が小さな機械を取り出して蕾につける。
俺たちは少し離れる。
篠雨が端末を取り出してタップしたと同時に機械が爆発する。
蕾が燃えていく。
緑人がうめき声をあげる。
「これで帰宅だね〜って先行かないでよ!」
先に走り出した篠雨を追いかけながら俺はため息をつく。
緑人の悲鳴が後ろで響いている。
第2話だ!!
これからも投稿します。




