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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD
1/63

0 任務相手



桜の花びらが一枚俺の額にのる。


「いい天気だなぁ……」


暖かい陽光がベンチに寝転んでいる俺を照らす。


そのとき誰かが俺の顔を覗き込む。


「あ、リートさんどうかしました?」


「『どうかしました』じゃないよ。君、今日別の人と任務でしょ。」


「あ。」


「はぁ〜」


リートの髪が風でたなびく。


「怒られたくなかったら急ぐんだね。あと三分しかないけど。」


「え、ちょ、じゃあいってきます!」


俺は走り出す。


階段を上って廊下を走る。


「ひぃ〜ギリギリセッ……」


「アウト。」


黒いソファに座っている男性が言う。


「そんな冷たく言わないでよ、佐竹くん。」


「どうでもいいから早く座ってください。」


「……」


俺はソファに座りながら言う。


「俺の任務相手って佐竹?」


「違いますよ。隣の部屋で待ってます。」


「あ〜。なるほど。」


「任務説明します。M-12エリアの蕾(・)掃(・)除(・)です。」


「蕾?やばいじゃん。」


「だから掃除するんですよ。」


「OK〜。行こう。」


「その前に任務相手の紹介です。」


佐竹は立ち上がると隣の部屋へのドアノブを握る。


「忠告しときますけど、相手はあなたより上の立場にいた人です。それに少し怖いらしいので気をつけ

て。」


「佐竹も人のこと言えな……ごめんなさいなんでもありません!」


佐竹は俺を睨みつけながらドアを開ける。


静かな部屋の窓際に一人の男性が立っている。


青みがかった黒髪を後ろでくくっていて、耳飾りが揺れている。両目の傷跡が目立つ。背中に細長いバックを背負っていた。


青緑の鋭い目が俺を見る。


佐竹が俺を指差しながら男性に言う。


「すみません、少し遅れました。こちら、任務相手の鳳宮凰理(ほうみやおうり)です。」


男性はハスキーな声でそっけなく返す。


「霞城篠雨(かじょうしのめ)だ。」


「よろしく!」


そう言って俺は握手しようと手を差し伸べるが、篠雨はスッと俺の横を通り過ぎる。


え……?


篠雨はドアを開けるとスタスタと歩き去っていく。


「いや、ちょっと待って!佐竹、いってくる!」


「がんばってくださいー。」


佐竹の棒読みを聞きながら、俺は廊下に出る。


変わらず陽光が地面を照らしている。


「追いついた……一言ぐらい言ってよ……」


篠雨は俺をチラリと見ただけでそのまま歩いていく。


ずいぶん無愛想だなぁ……


そう思いながら横に並ぶ。


「な〜んも喋らないけどさ、チームプレイって大事なんだよ!リートさんが言ってたことだけど!」


そのとき、ようやく篠雨が口を開く。


「お前みたいな抜けてる奴と馴れ合う気はない。」


「えぇ〜。いいじゃん別にさぁ。」


と俺は返すが何も返ってこない。


篠雨に喋りかけながら、階段を降りて車に乗る。


車内でも話そうとするが、ほとんど無反応。


困ったなぁ……


「よし!名前の由来教えて!」


シーン。


俺……こいつと任務できるよな……?


桜が空を舞っていた。


読んでいただきありがとうございます。

これからも少しずつ投稿しようと思っています。よろしくお願いします。


10/1 少し修正しました

10/6 少し修正しました

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