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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD Ⅱ
28/63

27 日常



重い空気が立ち込めている。


俺は正座で床を見つめる。


篠雨が片手にギブスで眠たげに立っている。


烏兎はめちゃくちゃ焦っている。


蝉の声が聞こえる。


パドが無表情で言う。


「我々の仕事は緑人の討伐であって、建物の破壊ではないはずだが。」


目線をそらしながら俺は答える。


「そ、そうですね……」


「だが、先日の宗教団体の件でお前は民家数件を破壊したようだな。」


「えっと……」


「俺の指示は増援が来るまでの足止めで、緑人の討伐ではないはずだ。」


「は、はい……」


「だが、お前たちは討伐に向かい民家破壊の挙句に、篠雨は怪我。お前たちは何をやってるんだ。」


「すみません……」


烏兎は固まっている。この状況でのんびりしているのは篠雨だけだ。


パドが続ける。


「烏兎はともかく、篠雨と凰理。特に凰理だ。」


「え!?俺ですか!?」


「当たり前だ。」


「……」


パドはため息をつくと言う。


「まぁ、緑人を倒したことに関してはよくやった。」


「ありが…」


「だが、やりすぎだ。」


「……」


「明日から二日休みだ。ゆっくり休め。」


そう言うとパドは部屋から出ていく。


烏兎が息を吐き出す。


篠雨は飴を取り出して口に放り込む。


「疲れた〜。」


俺はそう言って立ち上がる。


それにしても何で俺だけ正座……?


窓から夏の日差しが差している。


指導員の仕事は終わり、朔羽と日月はいない。


だが、パドが『また頼む』と言っていたからまた会えるだろう。


それに、連絡先も交換したしな……


烏兎が、


「なぁなぁ、昼飯食いに行かへん?」


と言う。


「そうだな!腹減ったし。」


篠雨が飴を噛み砕く。


廊下に出ると暖かい空気が俺たちを包む。


暑いな……


食堂は程よい賑やかさでたくさんの隊員がいる。


カレーを口に運びながら烏兎が言う。


「それにしても、この基地来たときびっくりしたわ〜。学校かと思ったもん。」


「あ〜。」


俺たちの働いている、この第6支部は廃校になった中学校を改造して作られた場所だ。


外見は学校の面影が残っていて、撤去されていない鉄棒なども残っている。


篠雨は基本的に食事中は黙っているので静かだ。


ふと、烏兎が思いついたように言う。


「あのさ、明日と明後日休みやしさ、三人でどっか出かけへん?」


「いいなそれ!」


「やろ?」


篠雨は黙り込んでいる。


「篠雨も行くだろ!」


「行かねぇ。」


「え〜!行こうぜ〜。」


「揺らすな。」


篠雨が俺の足を踏みながら聞く。


「具体的にどこ行くんだ。土日だから混んでるだろ。」


「今から考える!」


「……」


烏兎が


「みんなで遊べそうなとこないかな……」


と呟く。


俺は元気よく言う。


「遊園地!」


「俺、絶叫系苦手やから何も乗れへんねん。」


「じゃあ、水族館!」


篠雨が容赦なく言う。


「混んでる。」


「映画!」


「何見るんだ。」


「ゲームセンター!」


「俺はそこ嫌いだ。」


「ショッピングモール!」


「混んでる。」


「じゃあ、どこ!?」


「知るか。」


「篠雨はどこ行きたいんだよ!」


「別にどこでも……」


篠雨がいいかけたとき、白い手が俺たちの間に伸びる。


「里帰りっていうのはどうかな?」


聞いたことのない女性の声。


長い髪。淡い金色の目。


篠雨が口を半開きにして女性を見上げている。


女性がニコニコしながら言う。


「久しぶりだね篠雨。」



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