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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD
26/60

25 無茶




何もできない。


弱いから?


日月は巨大な緑人を見て思う。


烏兎みたいに早く動けたら何かできるのか?


篠雨や夏帆みたいに何かに長けてたらできるのか?


凰理や昼斗みたいに俺は強くなれない。


でも…


声を聞いたような気がした。


そのとき一人の少女が俺の隣に立つ。


薄い金髪で濃紺の瞳。


「!早く避難……」


「一点に集中する。」


「?」


突然の呟きに俺は戸惑う。


「魔力を霧散させるなら、氷は脆くなり広範囲を凍らせる。」


…!俺の…魔法の……


「一点に集中し限られた範囲に固めるなら、堅固で局所的に凍らせる。」


少女はただ緑人を見つめている。


俺は手に力を込める。



・・・・・***・・・・・***・・・・・



緑人が一歩一歩進んでいる。


凰理は近づこうとするがツタと枝に阻まれる。


このままじゃ…ダメだ……せめて足だけでも壊さないといけない。


でも…爆弾が足りない。


ふと、俺は視線を遠くに向ける。反射的に一歩下がる。


目の前をヒヤリとしたものが通り抜ける。


パキパキと音をたてて緑人が凍る。


うめき声を上げて進もうとする。


氷がきしんでいる。


日月……!


篠雨が言う。


「行くぞ。」


「おう!」

緑人の背に降り立つ。


芯は…ここ。


カチカチと爆弾が音を立てる。


俺は走り出す。


地面に降りたとき、赤い爆炎と緑人の叫び声があがる。


やったか……?


もうもうと黒煙が上がっている。


静まり返った空間に緑人が叫びながら立ち上がる。


篠雨が呟く。


「爆弾全部使ったぞ……」


なのに……


氷が割れる。


他の方法は……


俺は手のひらを見る。


炎帝が燃えている。


「篠雨。」


「?」


「爆弾で皮膚がえぐれてるはずだ。」


「お前……」


「俺が直接…壊す。」


そのとき篠雨が頭を抱えて座り込む。


「へ?」


「はぁ〜。毎回お前が無茶する方針じゃねぇか……クソ…」


「え?ダメ?」


「ダメに決まってんだろ……」


「え……」


「次やったら殺すって言っただろ。」


「あ……」


「だから…俺もやる。」


「え?」


「あ゙?」


俺は瞬きをする。


「篠雨…何かやっぱ……」


俺は笑う。


「話し方崩してるほうがいいな!」


「今それかよ。」


日差しに炎が混じる。


刀が光を反射する。


地面を強く踏む。


俺は傷口に炎帝を刺す。


緑人の咆哮が鼓膜を揺らす。


緑の液体が俺の頬につく。


篠雨がツタと枝を切り落としていく。


「チッ…」


篠雨が舌打ちをする。


巨大な緑人の背を人の形をしたものがヨロヨロと歩いている。


人型の緑人が俺たちを囲む。


篠雨が斬りかかろうとしたとき羽の音が聞こえる。


パチッ


雷。


烏兎が緑人の群れを突っ切る。


「烏兎!」


「えらい無茶しとんな!」


「朔羽は!」


「無事!」


「よし!」


傷口が燃え上がる。


熱い……


散る火の粉と緑の傷口の隙間に、不気味に鼓動する心臓が垣間見える。


ツタが飛んでくる。


篠雨が受け止める。


ギシ。


ツタの勢いで篠雨の腕が弾かれる。


「篠雨……」


「集中。」


「……」


緑人が暴れる。


建物が崩れる。


瓦礫が落ちる。


篠雨が受け止める。


烏兎が蹴り飛ばす。


「大丈……」


「大丈夫だからさっさとしろ!いてぇんだよ!」


篠雨が刀を構え直しながら言う。


烏兎が呟くように言う。


「蹴らんかったらよかった……痛い…」


俺は眼下の心臓に目を落とす。


緑色の液体が通っている。


眩しい赤が俺の視界を覆う


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