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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD
21/63

20 対峙



篠雨は引きずられながら刀でツタを切る。


舌打ちをして周りを見渡す。


目の前の扉が少し開いていて、切ったツタが落ちている。


何か小さな機械の音が聞こえる。


通信機をいじっても、ただノイズだけが響く。


出れそうなのはあの扉だけか。


グレーの扉をゆっくり開ける。


「…!」


機械音が響く。


薄暗い空間に大量のガラスの箱が並べられている。


ガラスケースの中で緑人が俺を見る。


俺の足音が響く。


うめき声をあげるだけで緑人が襲ってくる気配はない。


何だここ……


目の前のガラスケースに目を向けると、『102』と番号が書かれている。


103…104……


不気味な静寂が俺を包んでいる。


108…109、110……


緑人は部屋の隅にうずくまっていたり、ガラスを叩いていたり反応は様々だ。


だが、一人も人間がいない。


俺はただ進む。


195…196…197、198、199……


俺の足が止まる。


目の前に一つの培養槽のようなものがあった。


200と番号が振ってある。


とても小さく何かが中で揺蕩っている。


……目玉?


青灰色の瞳が浮いている。


丸い瞳孔に戸惑っている俺の顔が映る。


ふと気づく。


緑人がじっと目玉を見つめている。


何なんだ……?


そのとき俺は刀を掴む。


振り返るとグレーのコートを着た茶髪の男が立っている。


男が俺の顔を見た瞬間言う。


「げっ…。これ気づくのかよ……お前と戦うのめんどくさそうだから、後ろから殺そうと思ったのに。」


俺は刀を構える。


「ひぃ〜やる気か…いやだな……絶対めんどくさい。」


男がそう言いながら身構えた。



・・・・・***・・・・・***・・・・・



「ん〜。なんも出てこうへんな……」


烏兎がカメラの映像を見ながら呟く。


朔羽はジュースを片手に画面を見つめる。


「凰理たちのほうで進展あるといいけど……」


僕は烏兎と椅子にもたれながら作業を続けていると、部屋の扉が突然開く。


振り返ろうとしたとき、烏兎に引っ張られる。


「!?」


見ると、僕の座っていた椅子に深々と岩のトゲが刺さっている。


「あれ〜?完全に不意打ちしたはずなのに。」


ドアに女性が立っている。中性っぽい見た目、ピンクのティアードスカートと黒のライダースジャケット。


昨日、道路を岩の壁で封鎖していたあの女性だった。


「ワタシ、リゼ。君たちを殺しに来たの。よろしく〜。」


「…!」


リゼはニコニコと笑いながら岩のトゲを僕たちに向ける。


烏兎が無表情で言う。


「お前…昨日のやつやろ。」


「へ〜。覚えてくれてたんだ。」


「凰理たちはどうなっとる。」


「ん〜?あ〜。アイツラのことね〜。さぁ、今頃緑人にでもなってるんじゃない。」


「お前……」


そう呟いて、俺は銃を構える。


リゼが肩をすくめて言う。


「二人揃って怖いなぁ〜ちょっと落ち着きなよ。ね?それに人に銃向けちゃダメでしょ。」


僕は手に力を込める。


そのとき烏兎が朔羽に言う。


「なぁ、朔羽くんはここで待っててくれへん?」


「はぁ?なんで…」


「ええから。」


烏兎の笑顔に俺は黙り込む。


リゼが言う。


「助け呼んでって言えばよかったのに。」


「逃がしてくれへんやろ?」


「ま、そうだね〜。」


烏兎が走り出す。


雷の音と岩とナイフがぶつかる音が響く。


「ナイフ、岩を受け流すのにしか使ってないけど、ワタシに向けないと倒せないんじゃない〜?」


「どうやろなぁ〜。あんま怪我させたくないねん。」


距離を取って息をついている烏兎に、リゼが意地の悪い笑みを浮かべて言う。


「そんな風に遠慮してたら死んじゃうよ〜?君さぁ、魔力が人より少ないんでしょ。雷でちょっと早く移動

してただけで、息切れしてるじゃん。」


「……」


「ほら、来なよ。」


リゼが笑った。


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