14 特殊任務
「いや〜すごいな。俺全然何もしてないわ〜。」
烏兎が笑顔で言う。
日月は無表情だが、朔羽はまんざらでもなさそうだ。
魔法で瓦礫を浮かして落とした昼斗はぼんやりと、安全運転をしている。
俺は篠雨に聞く。
「このあとは特殊任務だよな?」
「あぁ。」
特殊任務というのは簡単に言えば、通常の仕事と違う任務ということだ。
今回の内容……。
「何だったけ?」
「バカ。」
「え〜。」
篠雨が説明を始める。
「宗教団体の調査。緑人関係で違法をしてる可能性がある。以上。」
「なるほど。」
「あと注意点。その宗教団体は差別もあって、非魔術師と魔族は入れない。」
非魔術師は魔法を使えない人。魔族は……
「じゃあ、烏兎入れないってこと!?」
「あぁ。」
「だから、代わりに周辺の防犯カメラの映像確認することになってん。」
烏兎は特にショックを受けてない様子で言う。
「渡された書類に書いてたはずだぞ。」
篠雨の言葉に俺は首を傾げる。
夏帆がため息をつく。
「えっと……非魔術師はいないのか?」
「書類に書いとるはずやけど、一応確認しとこか。」
まず、烏兎。
「雷。」
日月は…
「氷魔法。」
朔羽。
「使えない。」
「じゃあ…」
「映像確認。」
「りょーかい。」
夏帆。
「使える。」
昼斗は…
「……」
使える。
篠雨。
「一応使える。」
俺は…
「炎帝の試験のときに、ほとんど魔法使用禁止にされたんだよね……」
「それってどないなんの?」
篠雨が
「書類には炎帝で誤魔化せって書いてる。」
「……」
地面に強い日差しが照りつけている。
「着いた。」
昼斗の一言とともに俺は地面を踏む。
「よし、じゃあ映像確認してくるわ。」
そう言うと、烏兎は朔羽と一緒に歩き去っていく。
「調査って何やんの?」
「パドさんが話つけてる。見学ってことで行く。」
「了解!」
蝉の声が響く。
俺は歩き出した。
・・・・・***・・・・・***・・・・・
「お客様です。」
それを聞いた修道服を着た、一人の女性が振り返る。
「どのようなご用件ですか?ソフィアさん。」
ソフィアが黒髪を揺らして歩いてくる。
「様子を見に来た。」
「そうですか。」
天窓から陽光が差し込んでいる。
「私は用事があるので行きますね。」
女性は歩く。
笑みを浮かべて。
・・・・・***・・・・・***・・・・・
あれ……誰かいる?
建物の前に誰かが立っている。
修道服を着ていて、ニッコリ微笑んでいる。
「見学の方ですね。初めまして。わたし、レカムと申します。よろしくお願いします。」




