13 戦闘
車が停車する。
「えっと、確か小さい蕾が二つ出てるから掃除しろってことやんな?」
「あぁ。」
バックを背負いながら篠雨が言う。
任務場所はN-21エリア。
強い緑人の出没が多い。その代わり普通の緑人は少ない。
「はぁ…今回大変そうやな。」
ゲートを通ってエリアを歩く。
夏帆が背中に背負っている銀色のケースを揺らしながらあくびをする。
「緑人出てけえへんな。」
日月が言う。
「…あんたらの探し方が悪いんだろ。緑人が多いところ探すって適当すぎる。」
指導員がやめてった理由がわかるような……
篠雨が言う。
「蕾は緑人の多いところに行けば96.8%の確率で見つかる。」
「え?そんな高かったの?」
「何でお前が知らねぇんだよ。」
日月は篠雨を睨んでいるが気にしてなさそうだ。
通信機から烏兎の声が響く。
『緑人、密集してるとこ見つけたで。』
烏兎は飛べるから、高い場所から周辺を探せる。
よし……
しばらく進んでいると緑人が現れる。
全員が構える。
ふと昼斗が上を向く。
「あ。」
「?」
上から。大量の緑人が降ってきていた。
俺は呟く。
「何か普通の緑人多くね……」
夏帆がケースを開ける。
中に入っているライフルが光る。
銃声とともに緑人が撃ち落とされる。
撃たれずに着地した緑人がうめき声を上げる。
緑人の群れの隙間から一瞬、蕾が見える。
さてと。
俺は炎帝を振る。
篠雨が緑人を俺たちに任せて蕾へ走る。
そのとき、朔羽が走り出そうとする。
「朔羽、蕾は篠雨が……」
「うるさい。子供扱いすんな。」
「いや、そうじゃなくて……」
そのとき烏兎に肩を叩かれる。
「?」
「強いやつ来たで。」
俺は視線を上げる。
緑人が成長した強いやつ。
植物の塊がズリズリと体を引きずっている。
俺は一直線に走り出す。
こいつが普通の緑人と違うところは、サイズと目や口があることだ。
植物の塊がまぶたを開ける。
俺と目が合う。
そのとき視界の端に捉える。
日月!?
緑人がツタのようなもので攻撃してくるのをギリギリでかわして、近づいていく。
危な……!
日月が緑人に触れる。
パキッという音とともに緑人が凍りつく。
「す、すげぇな……」
「新人に追い抜かされるなんてあんたら無能。」
「……」
そのとき爆発音が響いて篠雨が走ってくる。
蕾を破壊したらしい。
後は帰るだけ……
朔羽が静かに二丁の銃を取り出して、引き金を引く。
弾が全て当たって緑人が倒れる。
百発百中……
夏帆が言う。
「ちょっと、昼行灯!何もしてないじゃない!新人いるんだし頑張りなさいよ!!」
「…わかったー。」
「あいつに何ができっ……」
朔羽が言いかけたときズズッと瓦礫が突然持ち上がる。
瓦礫は空中で浮くと静かに落下した。
ドーンと俺の横にいた緑人に落ちる。
地面に緑が広がる。
昼行灯は帰ろうと歩き出した。




