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GREEN RECORD  作者: ミズイロみかん
GREEN RECORD
13/60

12 同期



「な、なんでじゃじゃu……」


言い終わる前に思いっきり腹を殴られて、俺は座り込む。


夏帆は満面の笑みで言う。


「初めまして。パドさんから話は聞いています。佐野夏帆です。」


烏兎が驚きと困惑の混じった表情で言う。


「あ、えっと…よろしく……?なんか凰理と……」


「はい。この『バカ』の同期です。」


「……」


日月がぼそりと言う。


「何だこいつ。」


篠雨が首を少し傾げて言う。


「パドさんから何も聞かされてないんだが……」


「パドさんが凰理に連絡したと言っていましたが。」


場が静まり返る。


「えっと…あ、ホントだ。なんかきてっ…」


次は顔面を殴られる。


「夏帆!俺、サンドバックじゃないんだけど!」


「あら?そうだったかしら。殴りすぎて忘れたわ。」


烏兎は苦笑い。


日月と篠雨は無表情。


朔羽はゲーム。


夏帆が小さく呟く。


「さてと、昼(・)行(・)灯(・)を待たせるわけにはいかないし、早く行かなきゃね。」


烏兎が「昼行灯?」と首を傾げている。


よくわからないまま、夏帆について行くと黒い車が一台停まっている。


窓が開いて、ひょこっと一人の男性が顔を出す。


ヘッドホンを首に下げていてグレーに赤いラインが入った上着を着ている。


閉じ気味の目が俺たちを見ている。


篠雨がポツリと呟く。


「昼斗?」


俺は篠雨の肩を掴んで言う。


「え!?何で篠雨が俺の同期知ってんの?顔広くない?」


「うるせぇ、離せ。」


車に乗り込みながら俺は聞く。


「なぁなぁ、どういう事だよ〜。」


昼斗は少しスローモーションで言う。


「この前…仕事で会った。」


「なるほど。って、色んな人と仕事してるんだな……」


そのとき朔羽が言う。


「昼行灯ってさぁ、ぼんやりしてて頼りなさそうな役に立たない人だよね?まさにその通りのクズだね。」


シーン。


夏帆が小声で俺に言う。


「話は聞いてたけど、ヤバいわね。」


「だろ……」


悪口を言われた昼行灯はぼーっと無言で朔羽を見ていたが、夏帆に視線を向けて言う。


「行灯って何だっけ。」


静寂。


「僕、変なこと言った……?」


「はぁ……」


夏帆がため息をつきながら助手席に座る。


昼斗は首を傾げながらハンドルを握る。


篠雨は何事もなかったかのように本を読んでいる。


新人二人は目をしばたたかせながら、困惑した表情をしている。


烏兎は笑いそうになっている。


まぁ、俺にとったらいつも通りの昼行灯だ。


景色が流れる。


朔羽は気を取り直したのか、ゲームをしている。


日月は昼斗を睨んでいる。


烏兎が


「そういや、パドさんからの連絡何やったん?」


「確かに。えっと……」


俺はメールを読み上げる。


『篠雨の負担が大きいため佐野夏帆と日暮昼斗と任務をしろ。」


「そんだけ?」


「それだけ。」


相変わらず。


日が高くなっていた。


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