9 そのあと
地面が焼け焦げている。
静かになった空間で、後ろから緑人が飛びかかってくる。
篠雨の刀が光って、緑人の血が飛び散る。
応援部隊か、医療部隊か。
あっという間に周りが人で入り乱れる。
「あっぶな……ありがとな、篠…」
篠雨と言いかけた瞬間顔面を殴られる。
「いったぁ!!何すんだよ!」
「お前が何してんだ!無茶しすぎだろこの大バカ野郎!!」
「そうかなぁ…?」
「『そうかなぁ?』じゃねぇよボケ!」
俺は満面の笑みを浮かべて言う。
「俺は俺の思った通りにやる!篠雨を助けたいって思ったからやっただけ!」
「…!」
篠雨の表情が変わる。
「はぁ……あ゙〜。もう分かった。諦める。」
「へ?」
「とりあえず……次やったらぶっ殺す。」
「え?俺殺されるの!?」
「うるせぇ。」
風が吹いている。
雲の隙間からこぼれ落ちる光を見ながら、リートは後ろに立っている佐竹に言う。
「合いそうでしょ?」
「まだ心配です。」
「…心配性だねぇ。」
烏兎が篠雨を見て「うわっ!」と言う。
「怪我しとるやんけ!血まみれやし!!二人揃って無茶すんなぁ……」
桜が一枚宙を舞った。
・・・・・***・・・・・***・・・・・
「騒ぎは鎮圧されたようです。」
黒髪の女性がソファに座るノワールに言う。
「そうか、ありがとう。ソフィア。下がっていいよ。」
ソフィアはお辞儀をすると部屋を出ていく。
宣戦布告は完了。
ノワールはソフィアが置いていった書類をめくる。
パラパラと紙の音が静かに響く。
・・・・・***・・・・・***・・・・・
あれから少し。
雨がざぁざぁ降っている。
「もうすぐ梅雨も終わるなぁ。」
烏兎がスマホを見ながら言う。
「終わったら夏かぁ……」
俺は焼きそばパンを食べながら言う。
今日は仕事が休みで、俺は烏兎の家で一緒に昼食を食べていた。
「すっかり、桜も散ってもうたなぁ……」
「……」
あの緑人大量発生騒ぎはニュースでも大々的に報じられて、パドさんが対応で忙しそうにしていた。
あんな大量に現れた理由は特大の蕾があったからということだった。
リートは海外に戻っていない。
ノワールたちのこともよく分からず調査中のようだ。
「さて、ごちそうさま。」
「また来てな〜。」
「おう!」
俺は部屋を出ると何気なく歩く。
廊下を走って階段を上る。
そーっと一つの部屋を覗く。
数人の人々がこちらに視線を向けるがすぐにそらす。
ここは組織の人専用のトレーニングルームだ。
奥まで歩くと、ベンチにジャージを着た篠雨がぼんやりと座っている。
「篠雨〜。」
「?」
「飯食いに行こ!」
「お前食ったんじゃねぇのか。」
「まだ食える。」
「残念だが俺はもう食った。」
「え〜。いいじゃん、もうちょっと食べようよ。」
「断る。」
「えー。」
俺たちは歩き出した。




