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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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39 相手を見抜く

 オークの襲撃から数日経ったある日、何時ものようにゴブリンの子供たちと遊んでいると長老に尋ねられた。


『ヴィーヴル、うちの村には魔法が使えそうなものはいないか?』


 ゴブリンだから魔法が使えない、と言うことはない。

 ごく稀にではあるが魔法を使えるものはいるし、生き物である以上、魔力は有している。

 魔物であれば、体内に有している魔力が多い可能性は高い。


 しかし、ヴィーヴルから返された言葉は素っ気ないものだった。


「今まで見た中には、魔法が使えるほどの魔力を持っているものはおらんのじゃ」


『詳しく見なくても分かるのか?』


「分かるのじゃ。

 大体、見た瞬間に分かるのじゃ」


 強者は、瞬時に相手の強さを見抜くみたいなものだろう。

 とにかく、ヴィーヴルは村に着いた時には、この村には魔法の才がありそうなものはいないと踏んでいたようだ。


『魔法が使えるものを、育てることはできんのか?』


 魔法を使う行程としては、魔力を集めて想像したものを具現化させる方法と、魔力を魔方陣などを介して具現化させる方法がある。

 前者で魔法が使えるようになるのはヴィーヴルなどの龍や魔法が使えるようになった魔物であり、後者は人間や魔人があたる。


 従って、ゴブリンが魔法を使うようになるためには、自身の魔力含有量が大きくならなければならない。

 龍が魔力含有量を増やすには魔法を使えば良かったが、ゴブリンが魔力含有量を増やす方法をヴィーヴルは知らない。

 母親である龍の雌ならばあるいは知っていたかもしれないが、居ないものに聞くことはできない。


「ゴブリンが、どのようにしたら魔法を使えるようになるのか知らないのじゃ。

 それが解決せぬ限り、魔法は使えんのじゃ」


『ゴブリンにも魔法を使えるものが、ごく稀におるが?』


「それは、自身の魔力を増やしたからなのじゃ。

 ゴブリンはどうすれば魔力量が増えるのか分からないから、教えようがないのじゃ」


『ヴィーヴルはどのようにして魔力量を増やしているのだ?』


「妾は、魔法を使うことで魔力量が増えるのじゃ。

 元から魔法が使えないゴブリンでは、増やしようがないと言うことなのじゃ」


『ゴブリンが魔法を使えるようになるためには、魔法が使えるようになったゴブリンに聞くしかないということだな』


「そう言うことじゃ」


 ヴィーヴルにだって、分からないことを教えることはできない。


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