表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
114/344

34 ゴブリンの網作り

 その日、リーダーは村の周りの見回りもそこそこに、他のゴブリン達と集まって村の中で作業をしていた。

 朝から子供達に捕まっていたヴィーヴルは、手を繋いで村までやって来た。


「今日は何をやっておるのじゃ」


『網を作っている。

 縄を作れるようになったんだからな』


「そうなのじゃ。

 妾も見ていても良いのじゃ?」


『構わんよ。

 子供達にも見せておきたいから、丁度良かった』


 『子供達に見せておきたい』と言うのは、技術の継承を考えてのことだろう。

 リーダーが居なくなった後、壊れてしまったり失ってしまったりした時に、食料確保のひとつの手だてがなくなってしまうのはよろしくない。

 村の存亡にも関わる重要な事柄ですらある。


 リーダーと他のゴブリン達の作業の邪魔にならないように、ヴィーヴルと子供達は肩越しに作業の状況を見守る。

 リーダーは殆ど手を動かせず、他のゴブリンの作業へ助言している。


 網を作ることができるものを増やしたいので、当然と言えば当然だ。

 自分でやった方が、作業を早く終えられるのは間違いない。

 その結果、網を作れるのは自分だけだ。

 それでは、他の者にも作業をさせる意味がない。

 最初は時間が掛かっても作業させないといけないし、自分が手を動かすのは手本としてもらうつもりだ。


『そこは、この糸をそこに持っていくんだ』

『そこは、こっちを持っていくんだ』


 リーダーは矢継ぎ早に繰り出される質問に、1つ1つ返していく。


 その作業を見ていて、ヴィーヴルが疑問に思ったことをリーダーに聞いてみた。


「この前作った縄より細いようなのじゃ。

 どうやって作ったのじゃ?」


『これは、この前作った縄を解いたんだ。

 網に使うには、あの縄は太すぎるからな』


「それだと、すぐに破れてしまうのではないのじゃ?」


『網はヴィーヴルが思っているよりずっと丈夫だと思うぞ。

 この糸で作った網でも、我達より大きな獲物が掛かったとしても破れないと思う。

 ただ、網は破れなくても我達が引き摺られてしまうと思うがな。

 それに、糸が太いままだと、その分重くなってしまう。

 我達では湖まで持っていけないかも知れないからな』


「網の目が大きいようだけど、もっと細かくせぬのじゃ?」


『これは、2つ理由がある。

 我達が細かく作るのが難しいと言うことと、小さい魚は逃がしたいからだ』


「小さい魚は逃したいのじゃ?」


『あぁ、小さい魚はその時捕まえてしまうより、大きくなってから捕まえた方が多く食べられる。

 その魚が子供を残すことは出来ない。

 大きく育ったあとならば、子供を残してくれるかも知れないだろうからな』


「分かったのじゃ」


 リーダー達は網を2つ編み上げて、最後にリーダーが2つの網を1つへと繋ぎ合わせて1つの網とした。


『それじゃあ、これから湖で漁をするぞ。

 皆で網を運ぶんだ』


 リーダーと大人のゴブリン達が網を持ち、湖へと移動を始めた。

 ヴィーヴルと子供のゴブリンが、その後を話ながら付いて行く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ