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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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30 縄を使った罠

『ヴィーヴルが縄作りを教えてくれたお陰で、新しい罠が作れるようになる』


「それは良かったのじゃ。

 妾もその罠の作り方を見ても良いのじゃ?」


『構わんよ。

 隠すようなものでもないしな』


 ヴィーヴルはリーダーの後に付いていった。

 リーダーは森の中の獣道を、何かを探しているかのように辺りを見回しながら歩いていく。

 暫く歩くと、目的のものが見つかったのであろうか、近くに生えていた細い木に掴まり横に曲げた。


『これが良いだろう。

 ヴィーヴル、これをこのまま抑えておいてくれないか?』


「良いのじゃ……これで良いのじゃ?」


 ヴィーヴルはリーダーが掴まえていた木を、リーダーに代わって抑えた。


『少し待っててくれよ。

 ここに縄を結んで……』


 ヴィーヴルが抑えている木の枝の先に縄を括り付けた。


『今度は、この縄を引っ張っておいてくれ』


「分かったのじゃ」


 ヴィーヴルはリーダーから縄を受け取ると、そのまま引っ張った。

 木は縄に引かれて横へと曲がったままの状態だ。


『ここに輪を作って、ここに小枝を挟んで……』


 リーダーはもう片方の縄の先に小枝を結びつけたり輪を作ったりと、色々と縄に結び目を作っていた。


『あ、ここに巻き込むところを作るのが先だったか……』


 リーダーは持っていた縄を手放すと、2本、小枝を地面へと石で打ち付けて立てた。

 その2本の間に小枝を渡して、小枝が外れないように縄にしなかった紐で結び付ける。

 そこへ先程まで色々と細工をしていた縄を巻き付けて、途中に結びつけた小枝の前に小枝を立て掛けた。


「これは、何の罠なのじゃ?」


『これは、動物用の罠だ。

 クマは無理だが、シカやイノシシ等は捕まえることができる。

 動物の足にこの輪が掛かると、輪が絞まって取れなくなるんだ』


「何か、複雑な作りなのじゃ」


『慣れればそうでもないぞ。

 要は、縄に結んだ小枝を、前に置いた小枝で動かないようにしているんだ。

 前に置いた小枝が外れれば、そっちの曲げた木で縄が引っ張られる』


「近づいて見ても良いのじゃ?」


『その、前に置いてある小枝に触れなければ良いぞ』


 ヴィーヴルは罠に近づいて、どのような作りになっているのかじっくりと観察する。

 何故、前に小枝を置いただけで全体を抑えていられるのかが分からなかった。

 だが、目の前に設置されている罠では、抑えていられる。

 不思議ではあるが、事実は事実として受け入れるしかない。


(後で試してみるのじゃ……)


 ヴィーヴルは、落とし穴ではない新しい罠の作り方を知った。


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