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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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28 ゴブリン村での縄作り(6)

「次は、それを長くする方法なのじゃ。

 それは、途中で他の紐を編み込むのじゃ。

 ただし……」


 ヴィーヴルはそう言うと、長くするために他の紐を地面より取り上げて編み込み始めた。

 暫く編み込んだところで……


「同じ場所から編み込んでしまうと、こんな風に引っ張ると離れてしまうのじゃ」


 ヴィーヴルが編み目の継いだところを真ん中にして両手に持ち引っ張ると、次いだところから左右に別れてしまった。


「なので、途中から1本追加して、暫く編み込んだ後にまた1本と、次々に追加していくのじゃ」


 そうやって編み上げた縄を、先程と同じように左右へと引く。

 今回は別れることなく、1本の縄としてその形を保っていた。


 ヴィーヴルは、それを目の前に掲げた。


「では、皆、やってみるのじゃ」


 ゴブリンの子供達は、ヴィーヴルがやったのと同じようにして、持っている縄の長さをより長くし始めた。


「次は、更に太い紐にするのじゃ。

 では、そことそことそこの者、こちらへ来るのじゃ。

 そして、自分で編み上げたように、皆の縄を合わせて編むのじゃ。

 そうすれば、太い縄を編むことができるのじゃ」


 指名された3体の子供が、ヴィーヴルの近くへとやって来て、3本の紐を寄り合わせた。


『そっちをこっちにもってきて~』

『そうじゃなくて、そっちをこっちにだよ~』

『ちがうってば~』


 ゴブリンの子供達は喧喧囂囂にそれぞれのやり方を通そうとしていた。

 それをヴィーヴルは黙って見ている。


 ヴィーヴルはやり方を教える。

 それをゴブリンの子供達が理解しないと意味がない。

 自分の意見があるということは、自分なりの理解があるはずだ。

 他の者と擦り合わせて、実物が出来上がればより確実なものとなるだろう。


 それに、1体だけでやれば縄にはならない。

 縄として使えるまでに引き締めるには、ゴブリンの子供1体ではあまりにも非力だ。

 3体で力を合わせて、身体ごと引き締める必要がある。

 だから、皆で協力して編み上げるしかない。


 暫くすると、方針が決まったのであろう、3体が協力して太い縄を編み始めた。

 全身を使って3本の細い縄を、太い縄へとするために編み合わせる。


 ヴィーヴルはゴブリンの子供達が縄を作る様子を見ていたら、自分達が作った縄を使ってブランコを作ってやろうと考えた。


 ヴィーヴルが作った縄の方が、頑丈で安心できるものであるのは間違いない。

 だが、自分達で作ったものが使われている方が嬉しいだろう。

 それに、例え切れてしまったとしても、怪我はするだろうが生死に関わるほどではないだろう。

 自分が痛い目に遭えば、どうすればより強くできるかを考える機会にもなるだろう。


『『『できた~』』』


 暫くすると、1本の縄を編み上げた。

 その太さは、ブランコの縄として使えるであろう太さがあった。


「ご苦労様なのじゃ。

 では、他の者も集まって編み上げるのじゃ」


 ヴィーヴルの言葉を合図に、子供達は3体ずつ集まって縄を編み始めた。

 2体だけのところがあったので、そこにはヴィーヴルが入り縄を編んだ。


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