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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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27 ゴブリン村での縄作り(5)

「後は、この紐を編めば縄になるのじゃ。

 1度編んだだけでは細いから、編んだもの同士を再び編むことで太い縄とすることができるのじゃ」


『ここからは藁で作る縄と一緒だな。

 木の皮を水に漬け込むと柔らかくすることができるとは思っても見なかった。

 これで、我達にも縄を作ることができる。

 ヴィーヴル、恩に着る』


「良いのじゃ。

 妾もブランコを作るために縄が必要だったのじゃ」


『そのブランコも、子供達の為だろ? 大人である我達に余裕がないばかりに、ヴィーヴルに手間を掛けさせた』


「妾も少し遊びたくなったのじゃ。

 気にする必要はないのじゃ」


『そうか……それならば、有り難い』


 ヴィーヴルとリーダーが話し込んでいた為、ゴブリン達は何も出来ずに2人の話す様子を見ていた。


『おっと、済まないな。

 我とヴィーヴルで話しておったら、他の者達が暇になってしまうな。

 ヴィーヴル、済まないが我と手分けして他の者に編み方を教えてやって貰えないか?』


「分かったのじゃ。

 では、妾は子供達に編み方を教えるのじゃ」


 ヴィーヴルは子供達を集めて、編み方を教えた。

 1度教えただけで出来るようになるものは居なく、同じことを2度、3度と繰り返して編み方を教える。

 編むこと自体、何度も同じことを繰り返すので手間でも何でもない。

 ただひたすらに、編み込んでいく。


 そのうち、1人、2人と編めるようになった者が出てくる。


『できた~、おねぇちゃん、これでい~い?』


「見てみるから、貸して欲しいのじゃ」


『うん、おねがい~』


 編むことができるようになったゴブリンの子供が、自分が編んだものをヴィーヴルへ手渡す。

 力がないためだろうか、編み込んだ目は荒くすぐに解けてしまいそうだが、編み込めてはいる。


「きちんと編み込めているのじゃ。

 上手くできているのじゃ」


『やった~』


「しかし、すぐに解けてしまいそうなのじゃ。

 もっと思いっきり引っ張っても切れないから、思いっきり力を入れて編むのじゃ」


 ヴィーヴルは、そう言いながら預かっていたものを返した。


『これくらい?』


 ゴブリンの子供は、力を込めて編み目を密にする。


「まだまだなのじゃ、もっと思いっきり引っ張っても良いのじゃ」


『え~、きれない~?』


「大丈夫なのじゃ」


 ヴィーヴルの言葉を受けて、ゴブリンの子供は力の限りを編み目に込めて密にする。

 きつく、堅く編み目がしまったようだ。


「それくらいで良いのじゃ。

 そんな感じで、次々編んでいくのじゃ」


『つかれちゃったから、やすんでから~』


「そんなこと言っていると、他の者ができるようになるのじゃ」


 そう言っているところへ、別の子供が自分で編んだものを持って、ヴィーヴルの下へとやって来た。

 先程のヴィーヴルの会話を聞いていたのだろう、今、持ってきた子供の編み目は堅く結ばれていた。


「うん、良い感じなのじゃ。

 このまま終わりまで編み込んでいけば、完成するのじゃ」


『やった~、さきにつくっちゃお』

『わたしがさきにつくるもん』


 最初に持ってきた子と、2番目に持ってきた子で競争が始まった。


『おねぇちゃん、うまくできない……』


「見ているから、やってみるのじゃ」


『うん』


 そうやって、全ての子供が編めるようになるまで、ヴィーヴルは子供達に付きっきりで編み方を教えた。

 1番目にできるようになった子と、2番目にできるようになった子の競争は、辛うじて1番目にできるようになった子に軍配が上がったようだ。



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